三年に一度の荘厳な橋渡りの儀式「布橋灌頂会」【富山県立山町】

  • 富山
  • 体験する
日本三霊山の一つ「立山」の麓にある立山信仰の里芦峅寺(あしくらじ)で三年に一度開催される「布橋灌頂会」(ぬのばしかんちょうえ)。どんな儀式なのでしょうか。

かつて立山は「あの世」と考えられており、登拝することで極楽往生が叶うとされていましたが、女人禁制の山でもありました。「布橋灌頂会」は、極楽往生を求めた女性たちを救済する為に行われていた儀式です。女性たちは白装束に身を包み、目隠しをして、この世とあの世の境とされる朱塗りの橋「布橋」を渡り擬死再生体験をすることで、極楽往生を願います。
1996年に約130年ぶりに復活し、立山信仰や芦峅寺地域のことを多くの人に知ってもらいたいという地域住民の熱意もあり、現在では三年に一度、現代を生きる女性の心を癒す橋渡りの儀式として開催されています。儀式に参加できるのは女性だけですが、この荘厳な儀式を見学しようと多くのお客様がお越しになるようになりました。
儀式を見学した後は、立山参拝をする人に宿坊で出されていた精進料理を地域の方が作ってくれる「芦峅御膳」をいただけます。「つぼ煮」と呼ばれる山菜や里芋・人参・油揚げが入った煮物や、小さなじゃがいもを甘辛く煮た「かっつる」、よもぎを練り込んで焼いたお持ち「焼きつけ」など、山の恵みをふんだんに生かして作られた素朴な地味深い味わいを堪能できます。立山信仰を「食」という切り口でも体験できますよ。
この記事に関連するタグ
前の記事 一覧へ戻る 次の記事