神さまに捧げ、人々に振る舞う。世界遺産白川郷どぶろく祭。

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白川郷では、毎年、9月の終わりから10月にかけて、五穀豊穣・家内安全・里の平和を山の神様に祈願する「どぶろく祭」が行われます。白川村の各地区の神社で、御神幸、獅子舞、歴史と民話にまつわる民謡や舞踊などの神事が繰り広げられる、歴史と伝統ある白川郷ならではの祭り。その名のとおり、祭礼に神酒として「どぶろく」が用いられ、人々にも振る舞われます。
「どぶろく」は、古くから受け継がれてきた独特の技法をもって、雪に埋もれた1月下旬に神社酒蔵で造りこまれます。神社に奉納する「どぶろくの儀」を終え、大きな酒樽から「きったて」と呼ばれるお酌用の容器に「どぶろく」が移されると、割烹着のおかみさんたちがいっせいに来客一人ひとりに「どぶろく」を盃についで回り、会場は芳醇な香りに包まれます。
奉芸殿では、子供大事(子大事)が転訛したものと言われている「こだいじん」をはじめ、「白川おけさ」「しょっしょ節」「白川わじま」など長い歴史とともに育まれてきた民謡が披露されます。唄は各集落共通ですが、踊りがそれぞれ異なるのも見どころです。

各集落によって味もことなるどぶろくは、白川村にとっては、村人と遠来のお客さまを繋ぎ、一緒に収穫に感謝する大切なもの。今も日本人の心を懐かしさいっぱいにさせる故郷の風景を醸し出しており、訪れる人をやさしい温もりで迎えてくれます。


※画像提供:白川村役場
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