輪島塗と塗師文化 漆の町家【塗師の家】

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石川県輪島市と言えば思い浮かぶ「輪島塗」。輪島塗の発祥は、諸説ありますが、文明8年(1476年)には、既に輪島に塗師がいたことは明らかになっているようです。日本を代表する漆器として評価され、完成までには、20工程以上、総手数では、100回にも及ぶていねいな手作業で仕上げられます。
輪島は古くから開けた日本の七つの湊でした。長い歴史の中で輪島塗は、「潮の道」を販路として製品を自ら全国のお客さまへ売りさばく自作自売の販売形態を藩政時代に生み出し、北前船によって、さらに名声を高めていきました。
塗師の家(ぬしのいえ)は、輪島の塗師文化が最も華やかだった江戸後期から明治終期にかけて建築されたものです。塗師文化の再構築を目指して平成2年に大改修が行われた塗師の家は、輪島塗をはぐくんだ塗師文化を証明する唯一の建物です。一見平屋風に見せる輪島独特の町屋造りで、アテの木を使った外観は、質素を旨とした藩政時代の面影を残しています。
質素な外観とは一転して、内部は総拭き漆仕上げがなされ、数寄屋風のシンプルな作りが粋を感じさせます。美しい漆の艶は、塗師の心意気を表しているかのようです。輪島市の景観重要建造物に指定されています。



※写真提供:石川県観光連盟
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