【柏むかしばなし】のゆかりの地を巡ろう!! ~紅い龍と布施弁天~

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写真提供:柏市観光協会

柏むかしばなしとは

柏市には、各地域に伝わる「むかしばなし」が数多く存在し、確認しただけでも50以上にものぼります。昭和60年に発行された「柏のむかしばなし」、昭和56年、平成元年に発行された「沼南風土記(1)(2)」、など様々な資料から39話抽出し、むかしばなしの舞台となった場所をホームページで紹介しています。

【紅い龍と布施弁天】むかしばなしの一例 

むかしむかし、まだ布施(ふせ)弁天のあたり一帯は大きな沼地でした。

 ある日、大雨が降る中、雷とともに赤い龍が現れ、手に持った土の塊(かたまり)で島を作りました。

 それからしばらくして村人の間で、夜になるとその山の東側が怪しく光ると噂になりました。

 ある夜、村人の夢に天女(てんにょ)が現れ、

「私は、但馬の国朝来郡筒江の郷(たじまのくに あさごごおり つつえのさと)=現 兵庫県朝来郡和田山町)から来ました。私を探してお祀りしなさい」と告げました。

 夢から覚めた村人が島に行き、おそるおそる光をたどっていくと岩谷(いわや)の中に三寸(さんずん)ほどの木彫りの弁天像があったのです。村人はそれを大事に抱え、茅葺(かやぶき)の小さな祠(ほこら)を建てて、弁天像を祀りました。しばらくたって、弘法大師(こうぼうだいし)がその話を聞き、お寄りになった際にその弁天像を見たところ、

「これは間違いなく私が、但馬(たじま)の国で願いをかけて彫った弁財天である」と大変驚かれました。

 そして弘法大師(こうぼうだいし)はここにお寺を建て、紅龍山(こうりゅうざん)と名付け、村の名前には天女(てんにょ)のご利益(りやく)にあやかり「布施(ふせ)」という名をつけられました。

弘法大師(こうぼうだいし)からこの話をお聞きになった嵯峨(さが)天皇はとても感動し、お寺に田畑を与え、いくつかの建物を建てて、この寺を天皇家の祈りをささげる勅願所(ちょくがんしょ)に定められたということです。
「ふるさと柏のむかしばなしマップ」 写真提供:柏市観光協会
写真提供:柏市観光協会

このように柏市を舞台にしたむかしばなしが39話あります。そのうち12話の舞台となった場所にはQRコードがあり、QRコードをお手元のスマートフォンで読み取っていただくと音声付動画をお楽しみいただけます。
ぜひ皆さんも、市内各地域の「むかしばなし」の舞台を訪ねて、むかしの人たちの暮らしや文化に思いをはせてみてはいかがでしょうか。
その他のむかしばなしのお話の詳細は柏市観光協会のホームページをご覧ください。

柏むかしばなし 公式ホームページ
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