石岡市立ふるさと歴史館は、石岡市立石岡小学校内にある資料館です。石岡市は今から約1300年前、「常陸国」の国府(現在でいう県庁に相当する。)が置かれていたことが近年の発掘調査で分かりました。ここふるさと資料館では、石岡市の旧石器時代から近代までの歴史を学ぶことができます。かつて「民族資料館」として親しまれてきましたが、平成27年4月1日から「石岡市立ふるさと歴史館」として名称を変え、再スタートしました。2階の常設展では石岡の歴史を概観いただける展示を行っております。1階では、ふるさと歴史館の地に存在した国指定史跡「常陸国府跡」の発掘調査の様子を写真で紹介するほか、およそ3か月おきに内容を替え、企画展を行っております。
石岡市では、当時この辺りが国の中心地であったことを物語る重要な古墳遺跡が分布しています。国府跡の北側には、宗教的な役割を担った常陸国分寺跡、常陸国分尼寺跡、鉄器工場として機能した鹿の子遺跡群が、南側には茨城郡の群立寺院である茨城廃寺院跡などさまざまな遺跡が分布します。このように国府跡を中心とした古代重要遺跡の分布からも、この地が当時非常に重要視されていたことがわかります。ふるさと歴史館では遺跡の説明や出土品を見ながら当時の歴史について学ぶことができます。
風土記とは、和銅6年(713年)元明天皇が地方の様子を詳しく知る必要があると考え、国ごとにまとめて報告するように命令が出されたことから編纂されたものです。常陸国は11群に分かれており、当時、それぞれの群で調査が行われ、まとめられたものが『常陸国風土記』と呼ばれるようになりました。各地で風土記が作成されましたが、現在まで伝わっているものは常陸国(茨城県)を含む5か国のみとなっております。ここ石岡市立ふるさと歴史館で、悠久の時の流れを感じてみてはいかがでしょうか。