【後編】ローカル列車の芸術秋旅~花輪線で行くいわて八幡平紀行~

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数量限定の地熱染で作られたテディベア(画像提供:株式会社八幡平DMO)
この記事は【後編】です。
まだ見ていない方は、【前編】をチェック!

芸術の秋を満喫!地熱アート体験「地熱染め」

八幡平市は、日本初の商用地熱発電所である松川地熱発電所が立地しています。
2019年には、新たに安比地熱発電所も建設にも着手するなど、地熱資源の豊富な地域です。
1970年代、この松川地熱発電所の蒸気を活用した温泉がホテルに供給されたことを契機に、現在では、八幡平温泉郷の約700軒のホテル、旅館、別荘、病院、介護施設などに給湯されています。
また、松川温泉に噴出する地熱蒸気を利用し、地熱染めが生まれました。
初秋の松川地熱発電所(画像提供:公益財団法人岩手県観光協会)
地熱蒸気を使った染色方法は、「地熱染色研究所」が試行錯誤のうえに確立した、世界でも類をみない技法で、まさに大地からの恵みを受けた貴重な染物です。
地熱蒸気の成分と熱を利用した染色技法から生み出された染物の特徴は、なんと言っても多色の濃淡変化。
濃淡変化は高温で乾いた蒸気が染料の定着させる一方で、蒸気に含まれる微量な硫化水素が一部の染料の脱色を促すため、色の定着と脱色という真逆の作用が同時に起きる、不思議な染物です。
(画像提供:株式会社八幡平DMO)
地熱染めは布の内部に染料をしみ込ませるため、「絞り」の手加減が最も重要になります。
絞りとは、布地の一部を糸で括る、縫い締めるなどの方法で、その部分に染料が入らないようにして模様を出す技法です。
布の折り方、絞り方、またその強弱を調整することによって、美しいグラデーションを生み出します。
驚くのはその日の地熱蒸気のコンディションが染物に影響すること。
染料調合はその日の蒸気の状態など、様々な条件に合わせて作られています。
その絶妙なグラデーションはジオカラー(GEO COLOR)と呼ばれています。
そうして作られた染物は、同じ模様、同じ色彩が無く、全てが世界に2つとない作品となります。
その日の地熱蒸気によって彩られる作品は、まさにGEO(=地球・大地)COLOR(=カラー)です。
地熱染め用の釜(画像提供:株式会社地熱染色研究所)

地熱染色研究所では、地熱染めの染色体験を行っています。
体験では、地熱染め作家による八幡平の歴史や、地熱蒸気についての説明を聞きながら、柄が決まる絞りの工程と着色の作業に挑戦できます。
柄をイメージしながら、思うままに着色した布は、地熱蒸気が充満する窯で約20分蒸しあげることで、思いもよらない美しいグラデーションの作品に生まれ変わります。
自分で染め上げたオリジナル作品は、当日お持ち帰りが可能です。

体験はご予約がおすすめ!

体験コースは個人、団体でも受付可能。
定員制となっておりますので、早めの予約がおすすめです。
日時を限定して開催しているので、事前にスケジュールをご確認ください。
また、団体は要予約となりますので、詳しくは直接お問い合わせください。
(画像提供:株式会社八幡平DMO)
お越しの際は、同じ敷地内にあるペンションアルペンローゼもおすすめ。
気軽に喫茶も楽しめる八幡平地熱蒸気染色GEO COLORの直営ショップです。
地熱アートに囲まれながら、窓からは紅葉と五葉沼(ごようぬま)。
この五葉沼の水面には、「逆さ紅葉」も映り込むので極彩色の世界を堪能できます。
地熱染色研究所 工房 夢蒸染のホームページはこちら
アルペンローゼのホームページはこちら

10月27日(木)の限定出発「五感で感じる八幡平 日帰りバスツアー」

「八幡平地熱蒸気染め」の体験と、八幡平のローカルガストロノミーを楽しめるレストラン「ノーザングランデ八幡平」のランチコースがついたおすすめのツアーをご紹介します!

【五感で感じる八幡平 日帰りバスツアー】
出発日:2022年10月27日(木)出発限定
集合・解散:盛岡駅

〇おすすめポイント
・地熱蒸気の成分と熱を利用した染色技法「八幡平地熱蒸気染め」を体験!(綿ミニスカーフ・綿ハンカチ各1枚)
・昼食はノーザングランデ八幡平で岩手の素材を中心としたコース料理をご提供。

詳しくは日本の旅、鉄道の旅ホームページをご覧ください。
「日本の旅、鉄道の旅」商品ページはこちら
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