実は見逃していた?【東尋坊】に隠された秘密を探しに福井県へ!

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東尋坊の見どころの一つ「千畳敷」
皆さまは東尋坊という名前を聞いて何を想像しますか?冬の荒れた波が大きな岩に打ちつける姿、刑事が犯人を崖まで追い詰めるというドラマの有名なワンシーンなどを想像する方が多いのではないでしょうか。今回はその東尋坊に関する意外な一面を皆さまにご紹介します。

福井県を代表する観光地のひとつ「東尋坊」

福井県坂井市に位置し県を代表する観光地のひとつである「東尋坊」。福井県にある平泉寺というお寺にいた僧侶がその名の由来とされている東尋坊は、最寄りのバス停や駐車場から食べ歩きが楽しめる商店街を歩くこと数分で到着します。目の前一面にゴツゴツとした岩場が広がっており、海に向かって歩みを進めるとそこは高さ約25メートルの崖の上。下をのぞくと思わず足が震えるほどの高さです。
高さ約25メートルの「大池」
海岸沿いに約1km続く東尋坊の崖は「海食崖(かいしょくがい)」と呼ばれる地形で、岩肌が日本海の荒れた波に長年削り続けられて今の姿になりました。岩肌は「柱状節理(ちゅうじょうせつり)」と呼ばれており、約1300万年前に地下のマグマが地中で冷えて固まったときに柱状に割れ目が生じ、この特徴的な姿が生み出されました。これほど大きな規模の柱状節理は世界的に見ても珍しく、東尋坊は国の天然記念物・名勝に指定されています。

明治期に人の手でつくりだされた千畳敷

東尋坊のメインスポットである大池から目的地の「千畳敷(せんじょうじき)」までは歩いてすぐ。平らに削られた岩場が広がる景色は、先ほどまでの大きな岩が背高く立ち並ぶ光景とは全く異なります。わずかな距離でこれほどまで地形が異なっているのは何故だかご存じでしょうか?実はこの千畳敷、明治期に人の手によって岩が採掘されて今の姿になりました。
目の前まで迫る日本海

千畳敷に行ったら岩肌に残る跡に注目!

東尋坊から車で5分ほどのところに位置する三国港。ここにはかつて北海道と大阪を結ぶ北前船が寄港しており、商業の重要な拠点でした。しかし、三国港には近くを流れる九頭竜川(くずりゅうがわ)から土砂が流れ込んで堆積し、水深が浅くなるという問題が生じていました。この問題を解決するため、明治期に三国港突堤(みくにこうとってい)と呼ばれる堤防を河口に整備しました。その突堤の基礎部分に使用された岩の一部が東尋坊から採掘されたものです。

今も残る切り出し作業の痕跡

皆さまは東尋坊から岩を採掘するために何を使用したかご存じでしょうか?それはダイナマイトです。大きな柱状の岩に穴を開けてダイナマイトを装填し、発破して岩を扱いやすい大きさにしました。ダイナマイトを装填した穴の跡は千畳敷で今も観察することができますが、あまり目立つものではないので注意深く探してみてください!
中央にある長方形のくぼみがダイナマイト装填の跡
千畳敷を歩くと見かけるこぶしほどの大きさの穴。これはダイナマイトを装填した穴ではなく、岩を運搬する際に使用した装置の支柱を埋め込んだものだそうです。支柱と滑車を組み合わせたクレーンのような装置を使用して船に多くの岩を積み込み、三国港まで運搬していました。千畳敷を訪れた際はこちらもぜひ注目してください!
岩場に残る支柱埋め込み跡

東尋坊に行ってみよう!

日本海に沈む夕日や荒れた海が岩肌に打ちつける姿、さらには美味しい地元グルメの食べ歩きなど、四季を通じて楽しむことができる東尋坊。同じ場所でもすこし見方を変えてみることで、今までとは違った東尋坊を楽しむことができます。現地を訪れた際にはぜひ千畳敷でゆっくりと東尋坊の歴史に触れてみてください!

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