湯守に聞く「地・温泉」の魅力 第2弾【松川温泉峡雲荘】

  • 岩手
  • 泊まる

「THE ONSEN」の魅力に迫る!

旅行の楽しみといえば、その土地ならではのグルメや季節ごとに表情を変える絶景、あとはやっぱり「温泉」ですよね!東日本各地に「地・温泉」と呼ばれる、その地に根差し地元の人に昔から愛されてきたお湯があることはご存知でしょうか?かつては湯治場として、そして現在も人々を癒す温泉宿の数々。身も心も温まる「地・温泉」の魅力をインタビュー形式でご紹介します!

「湯守」とは…

「お湯を守る」と書いて「湯守(ゆもり)」。言うなれば、温泉の管理人です。お湯の量や温度などを管理する役割を担っています。本企画で紹介する「地・温泉」の湯守たちが誇る、各地に根付いた伝統的なお湯は長い歴史の中で彼らによって守られているのです。

国立公園の中で楽しむ乳白色の露天風呂 松川温泉峡雲荘

第2弾としてご紹介するのは、岩手県、八幡平国立公園内に位置する松川温泉峡雲荘。湯守の髙橋さんにお話をお伺いしました。

四季折々、美しい変化を見せる大自然

峡雲荘入り口 冬は一面が銀世界に
ー早速ですが、松川温泉峡雲荘の特長・自慢を教えてください。

湯守 髙橋さん
「松川温泉は八幡平国立公園の中にありブナやナラの原生林の中に建つ静かな宿です、大自然の他には何も無いことが魅力です。GWの頃は水芭蕉、5月末から6月はじめは新緑と残雪、10月中旬は紅葉がとても美しい。白濁した湯は豊富でいつも湯舟から溢れています。」
峡雲荘外観とロビーの様子
冬は辺り一面が厚~い雪で包まれます。雪がつくり出す銀世界と、館内のあたたかな灯り、対照的でどちらも美しいですね。

乳白色に輝くお湯に癒される

峡雲荘で楽しめる温泉は、ちょっと珍しい乳白色。
大浴場
ー峡雲荘のお湯は幻想的な色をしていますよね。どうして乳白色のお湯になるのですか?

湯守 髙橋さん
「温泉は湧きだした時は透明ですが、湯舟に入り空気に触れると酸化して白い湯花が出来てきます。露天風呂は日によって、或いは光線の具合によって、乳白色といっても水色、緑色、黄色がかった乳白色と、色々な変化が見られます。」
冬場の混浴露天風呂の様子
乳白色といっても、タイミングによって見え方が変化するなんて幻想的!実際に入浴する際は、「今日は何色に見えるかな?」と温泉の色にも注目してみてくださいね。

冬こそ楽しみたい「ホロホロ鳥鍋」に「岩魚の骨酒」

ー季節ごとに旬の食材を使用したお料理も魅力的ですが、冬はどのような食材が並ぶのでしょうか?

湯守 髙橋さん
「冬の楽しみとして、岩魚の骨酒はいかがでしょうか。岩魚を1時間位良く焼き熱々の日本酒を注ぐと岩魚の出汁が出てとても美味しいお酒になります。お酒は地元の鷲の尾です。岩魚を良く焼いておりますので、生臭みも全く感じません。また、ホロホロ鳥鍋(普通は1人前のお鍋をお付けしています)の大鍋(2~3人前3,800円)も冬に是非召し上がって頂きたいものです。」
左:ホロホロ鳥鍋の大鍋(2~3人前) 右:岩魚の骨酒
ちなみに、ホロホロ鳥とはキジ科の鳥のことで、コクがありジューシーで柔らかな肉質から「食鳥の女王」とも呼ばれています。峡雲荘に宿泊する際は必ず食べたい一品です。

ボンネットバスで銀世界へお出かけ

国立公園内にある宿だからこそ、気軽に自然の美しさに触れることができます。
12月~3月のみ運行するボンネットバス
ー松川温泉峡雲荘、冬ならではの魅力を教えてください。

湯守 髙橋さん
「冬は白い雪の世界となります。宿の中は地熱の暖房で暖かですが、戸外ではパウダースノーを楽しめますし、晴れた日にはキラキラと光るダイヤモンドダストを見ることができます。12月から3月までは路線バスがボンネットバスになります。八幡平温泉郷から松川温泉まで毎日3便運行しています(53歳のバスなので時々故障してお休みすることがありますが)。また、普段は歩けない森の中を歩けるスノーシューも冬ならではの楽しみです。宿のすぐそばでもできますし、初めての方にはガイドがご案内します。バスで15分位行った県民の森からは七滝の氷瀑をスノーシューを履いて見に行くのはいかがでしょうか。往復2時間程のコースです。」
左:七滝の氷瀑 右:スノーシューの様子
上左の画像、人が立っているのが見えますか?よーく見ると、真ん中の少し左側に小さく映っていることが確認できると思います。七滝の氷瀑のスケールの大きさが伺えますね!

湯守のこだわり

ー湯守としてのこだわりや思いを教えてください。

湯守 髙橋さん
「何といってもお湯の温度です。熱い湯なのですが機械で調節できないので、毎朝、昼、夜と温度を測って水を足したりして調整しています。特に冬は吹雪の日が多く露天風呂はぬるくなりやすいので温度調整が難しい。また硫黄泉なのでパイプに湯の花が詰まって湯の量が少なくなっているのを、うっかり忘れてお湯をぬるくさせてしまうという失敗もたまにあります。」
湯守 髙橋さん
毎日3回、人の手によって行われる温度調節。手間が見えてくると、より一層温泉をゆったりと満喫したくなりますね!温泉の感想は、ぜひ湯守に直接お話ししてみてください。

乳白色の温泉、ホロホロ鳥鍋で体の芯からあたたまりましょう

いかがでしたでしょうか?今回は「松川温泉峡雲荘 冬の魅力」について、詳しくお話をお伺いしました。ここだけのお湯・岩手八幡平の大自然を楽しみに、ぜひ松川温泉峡雲荘へ足を運んでみてください。
可愛らしい雪だるまがお出迎えしてくれるかも?
列車+宿泊「岩手エリア」のご予約は【JR東日本びゅうダイナミックレールパック】で

◆次回予告◆

連載、湯守に聞く「地・温泉」の魅力 では、今後も東日本の「地・温泉」の魅力を皆さまにお届けします!次回以降もお楽しみに♪
「地・温泉」について、詳しく知りたい方は下記のリンクボタンよりご確認ください。
JR東日本HP「地・温泉」
取材協力:松川温泉峡雲荘

過去の記事

この記事に関連するタグ
前の記事 一覧へ戻る 次の記事
関連記事