【前編】まさか、あのホタテの原産地が北海道小樽だったなんて。その名も「おタテ」。【北海道・小樽市】

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小樽のホタテ、その名も「おタテ」!

「獲る漁業」から「育てる漁業」へ。「小樽ホタテブランド化推進プロジェクト実行委員会」始動。

北海道の観光地と言えば?と質問をすると「小樽!!」とすぐにかえってくるほど有名な小樽ですが、皆さんは小樽に「おタテ」と名付けられた「ホタテ」をご存じでしょうか。2021年5月、観光庁の「地域の観光の磨き上げを通じた域内連携促進に向けた実証事業」として、小樽祝津(しゅくつ)産ホタテを「おタテ」とネーミングし、ブランド化するため「小樽ホタテブランド化推進プロジェクト実行委員会」が始動しました。今回は、【前編】と【後編】にわけて、小樽のホタテの歴史と、小樽祝津産のホタテ「おタテ」についてご紹介します。

ホタテ漁師さんの朝は早いです。まだ、夜が明ける前に出航です。

小樽は昭和初期にかけてニシン漁とともにホタテ漁も盛んでしたが、獲りつくされてしまったり、環境の変化により、小樽の天然ホタテは途絶えてしました。試行錯誤の結果、1979年小樽祝津沖でホタテ養殖の試験を開始、1982年に養殖の事業化に成功しました。前年の春に採苗(さいびょう)したホタテの種が、約1年かけて育ち、3~4㎝ほどの稚貝(ちがい)になります。毎年、ホタテの稚貝が出荷されるのは4月から5月、北海道ではまだ、気温、海水温、ともに低い春に出荷シーズンを迎えます。祝津港のホタテの稚貝は、非常に人気が高く、生産分は全て予約で埋まっており、漁協を通じてオホーツク海などの別の海へ送られ、育てられます。皆さんが普段食べているホタテの元祖は小樽祝津産かもしれませんね。

初めて見ました!ホタテの入った「丸かご」はこんなに大きいんですね、皆さん知っていましたか?

漁船に搭載されたクレーンを利用して行う水揚げ作業は、漁師さんたちの手際が良く、あっという間です。小樽祝津の養殖場で用いられている、ホタテ養殖方法は「垂下養殖(すいかようしょく)」と言われる養殖方法です。この養殖方法で使われるのが「丸かご」と言われるかごで、20段ほどのかごが連なった円形のものを使用しています。高さにすると約3mほどあるでしょうか。養殖場では200mほどの長さのロープに30㎝間隔で、この「丸かご」が仕掛けられており、天敵であるヒトデに食べられないよう、また水深約40mほどの海底につかないよう調整されています。調整にはロープについている丸い浮き玉を確認しながら調整するそうです。

船の先端が見えないほど、ずっしりと積まれています。画面左側より細く出ている水は、稚貝を乾燥から守り、鮮度を保つためのものです。
船上からクレーンで下ろされる稚貝の入った「丸かご」。
水揚げされた「丸かご」の中には、この1年で大きく育った稚貝でギッシリです。
まさか、ホタテの原産地が北海道小樽だったなんて。その名も「おタテ」。【北海道・小樽市】の【前編】では、小樽のホタテの歴史と、水揚げの様子をご紹介しました。【後編】では、水揚げ後と出荷の様子についてご紹介します。
写真提供:小樽ホタテブランド化推進プロジェクト実行委員会
【公式】「おタテ」ブランド化推進プロジェクトホームページ
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