【イベントは終了しました】2024年冬!春の訪れを告げる八戸えんぶりを見に行こう!【八戸えんぶり】

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雪を踏みしめ勇壮に舞うえんぶり(画像提供:VISITはちのへ)
青森県八戸市では、毎年2月17日~20日の4日間、「八戸えんぶり」と呼ばれる伝統芸能を鑑賞することができます。

八戸えんぶりは午前中から夜まで行われているため柔軟な旅の計画が立てられるのがポイント。行われる場所は観光名所からほど近いため、アクセスもしやすく周辺観光とセットで楽しめます。

この記事では、そんな八戸えんぶりについて2024年の開催スケジュールとあわせてご紹介いたします。

えんぶりの歴史はなんと800年以上!

起源は諸説ありますが、鎌倉時代のはじめ、この地を治めるためにやってきた南部光行(なんぶみつゆき)と絡めて語られることが多いよう。

光行はこの地で過ごす初めての正月に家来を武装させて有力者の家を訪問させたのですが、お酒が入った部下たちはなんと抜刀騒ぎを起こしてしまいます。そのときに機転をきかせたのが、えんぶりで主役を務める「藤九郎(とうくろう)」。
真ん中のちょっと豪華な烏帽子をかぶっているのが藤九郎(画像提供:VISITはちのへ)
農民の藤九郎は農具を持って踊りながら田植え歌を歌うことで家臣たちの注目を集め、最後に南部家を祝福する口上を述べることでその場を治めたそうです。

えんぶりについて知ろう

乱暴者たちも治めたえんぶりは、現在、独特の摺り(すり)と言われる動きをする太夫(たゆう)や舞い手、音楽を担当する囃子方と唄い手など20~30人ほどで構成されています。

前知識なしでも楽しめますが、動きにどんな意味があるか知ることでもっと楽しむことができるので、簡単にご紹介します♪
太鼓や笛等を担当する囃子方(画像提供:VISITはちのへ)

演目

えんぶりは大きく分けて2つの演目があります。1つが「摺り」、もう1つが「祝福芸」と呼ばれるもので、摺りは大人の男性、祝福芸は子どもが演じることが多いです(女性が演じることもありますよ)。

摺りとは?

摺りを行う太夫は3人又は5人でおそろいの法被を身に着け、目を引く馬を模した烏帽子をかぶっているのが特徴。太夫の勇壮な舞いは田植え~収穫までを表しており、以下の内容で演じられています。

1:摺りこみ…えんぶりを始める口上を述べながら入場
2:摺りはじめ…種をまき、馬に田んぼを耕させて田植えの準備
3:中の摺り…育った苗を田んぼに植える
4:摺りおさめ…田植えを終え、秋の豊作を祈願
5:畦留め(くろどめ)…田んぼから水が漏れないように口上を唱える
摺りを行う太夫たち(画像提供:VISITはちのへ)
えんぶりが行われる2月は雪が舞う真冬。
そんな時期に田植えを模した舞を行うのは、冬の間眠っている田んぼの神さまを揺り起こし、豊作を祈願するためなのだとか。

摺りには2種類あり、ゆったりと優雅なものが「ながえんぶり」、テンポが速く勇壮なものが「どうさいえんぶり」と呼ばれています。えんぶりを行う団体を「組」といい、どちらを演じるかは組によって違うそう。見分け方は簡単で、太夫の烏帽子に5色のヒラヒラした長いふさがついているのが「どうさいえんぶり」になります。
烏帽子にヒラヒラした長いふさがついているこちらは「どうさいえんぶり」(画像提供:VISITはちのへ)
迫力のある「どうさいえんぶり」と歴史があり優雅な「ながえんぶり」、是非どちらもご覧になってみてくださいね♪

祝福芸とは?

子供たちの動作が可愛らしい祝福芸(画像提供:VISITはちのへ)
摺りの合間に行われるのが主に子供たちによって行われる祝福芸。こちらも組により代々伝わる演目などがあり違いがありますが、よく行われているのが「松の舞」「えびす舞」「大黒舞」「えんこえんこ」など。
恵比寿さまのメイクもばっちり決まっています(画像提供:VISITはちのへ)

どれも子供たちが懸命に舞う姿に癒されますが、個人的におススメなのが「えびす舞」。ちょっとひょうきんな恵比寿さまが釣りをする演目なのですが、釣り場所を探すところから最後に鯛を釣り上げてめでたしめでたしで終わるところまで、愉快な恵比寿さまの動きに思わず笑みがこぼれます。


見ると幸せになりそうな祝福芸、ぜひお気に入りの演目を見つけてみてくださいね。

実際にえんぶりを見に行こう♪

えんぶりは、行われる場所等によって「○○えんぶり」等と呼ばれますが、内容は基本的に上記の摺りと祝福芸を組み合わせたもの。ただ、場所や演じる組によって雰囲気や演目が異なるため、可能であれば複数見るのがおススメです。それぞれについて簡単にご紹介いたしますので、お好みにあったえんぶりを探してみてくださいね。

◆奉納(場所:長者山新羅神社)

日時:2月17日(土)7:00~

神社の拝殿の前で行われる奉納(画像提供:VISITはちのへ)
奉納のための行列(画像提供:VISITはちのへ)
前日に八戸近郊に宿泊している方におススメなのが「奉納」。朝7時からと早いスタートですが、歴史ある長者山新羅神社(ちょうじゃさんしんらじんじゃ)で行われる今年初めての摺りは神聖な雰囲気が漂います。

神社では17日の真夜中0時から「札取り」と呼ばれるえんぶり組の受付がスタート。この受付を1番早く済ませた組がこの日の10:40頃開始の「一斉摺り」の先頭で摺ることができるため、何日も神社で寝泊まりする組もいるのだとか。

◆えんぶり行列・一斉摺り(場所:長者まつりんぐ広場~八戸市中心街)

日時:2月17日(土)10:00~11:20

奉納を終えたえんぶり組が向かう先が「長者(ちょうじゃ)まつりんぐ広場」。こちらは待機場所のようになっており、えんぶり行列・一斉摺りが始まるまでの間、広場のそこかしこでえんぶり組が舞を行います。近くから舞いを見ることができるので、摺りの所作をじっくり見たい方におススメです♪
10:00からはえんぶり行列がスタート。一斉摺りを行う中心街に集まった後、すべてのえんぶり組が一斉にえんぶりを摺る様子は圧巻!迫力があるえんぶりを見たい方におススメです♪
えんぶり行列がやってくるといよいよ!気持ちが高まります!(画像提供:VISITはちのへ)
一斉摺りがスタート!右手に持っているのは「ジャンギ」とよばれる農耕器具を模したもの(画像提供:VISITはちのへ)

◆御前えんぶり(場所:八戸市庁本館前市民広場)

2月17日(土)12:15~

昔、八戸藩のお殿様に披露していた名残で八戸市長の前で披露されるえんぶり。その年により演じる組が変わります。もちろん一般の方もご覧いただけますよ。

◆えんぶり一般公開(場所:八戸市庁本館前市民広場)

2月19日(月)、20日(火)13:00~、14:00~

昼に行われるえんぶりで御前えんぶり、かがり火えんぶりと同じ場所で行われます。昼に行われるため明るく華やか!中心街でランチをとった後に見るのにちょうどいい時間帯です。

◆かがり火えんぶり(場所:八戸市庁本館前市民広場)

2月17日(土)~20日(火)18:00~、19:00~、20:00~

期間中の夜、毎日行われる「かがり火えんぶり」はその名の通りかがり火の中で行われます。夜の闇の中、かがり火のはぜる音と舞う火の粉に彩られたえんぶりは幻想的な雰囲気。夜はとても冷えるので、あったかくしてご覧くださいね。屋台も出るので、あたたかいものを買って見るのもおススメです。

◆史跡根城えんぶり(場所:史跡根城の広場)

日時:2月18日(日)、19日(月)11:00~12:00 ※要入館料

史跡根城えんぶり(画像提供:VISITはちのへ)
1334年南北朝時代の建てられた根城(ねじょう)を再建した広場で行われるため、歴史好きにおススメ。すぐ隣に八戸市博物館もあり、八戸の歴史を学べるほか、2024年2月3日(土)~3月10日(土)まで企画展「えんぶり展」「ひな人形展」も開催しています(有料)。国宝のある櫛引八幡宮へはここからバスで15分ほどなので、こちらとあわせての訪問もおススメです。

◆えんぶり公演(場所:八戸市公会堂)

日時:2月17日(土)、18日(日)13:00~16:00 ※有料

舞台での公演のため背景もあります!(画像提供:VISITはちのへ)
ほとんどのえんぶりは屋外で行われますが、こちらは室内の舞台上で行われるため、寒いのが苦手な方、座ってゆっくりとえんぶりを見たい方におススメ。席は自由席で、両日とも2組のえんぶり組と2組の子どもえんぶり組の公演を観ることができます。途中に休憩があり、退席することも可能。前売り券のほか、当日券もあります。予約方法は下記、八戸市公会堂公式HPをご覧ください。
八戸市公会堂 公式HPはこちら

◆お庭えんぶり(場所:更上閣)

2月17日(土)~20日(火)17:00~/19:15~ ※有料、事前予約必須

お庭えんぶり(画像提供:VISITはちのへ)
お庭えんぶりの魅力はなんといっても歴史ある建物でゆっくりとえんぶりを鑑賞できること!さらに、甘酒と地元の名物、八戸せんべい汁がついてくるほか、ひざ掛けも用意されています。
ライトアップされ雰囲気のある更上閣の庭へと続く道(画像提供:VISITはちのへ)
庭に面した座席でえんぶりを鑑賞できます(画像提供:VISITはちのへ)
会場の更上閣(こうじょうかく)は明治から大正にかけて建築・改築された財閥・泉山家の邸宅で国の有形文化遺産にも登録されているレトロな建物。暗くなってくるころ、立派なお庭にかがり火がたかれ、その明かりが暗闇を照らす中演じられるえんぶりは一昔前にタイムスリップしたよう。地元の商家や地主の座敷などで披露されることもあったえんぶりにぴったりの雰囲気です。

とても人気なので、予約開始と同時に予約するのがおススメです。予約は全国のローソン・ミニストップ Loppi端末から。2024年1月16日より発売中です。詳細は下記のVISITはちのへ公式HPからご覧ください。
VISITはちのへ 公式HPはこちら

◆そのほか

上記のほかにも期間中は八戸市内の観光施設でえんぶり公演を行っているところもあるので、行く予定がある施設のHPを事前にチェックしておくのがおススメ。中心街等では門付けも行われているため、えんぶり組の姿を思いがけず見ることができるかも♪

2024年の八戸えんぶりのスケジュールまとめ

2月17日(土)

7:00~ 奉納(長者山新羅神社)
8:00~9:00 撮影会(長者山新羅神社)
10:00~ えんぶり行列~ 八戸市中心街(長者まつりんぐ広場)
10:40~11:20 一斉摺り(八戸市中心街)
12:15~ 御前えんぶり(八戸市庁本館前市民広場)
13:00~16:00 えんぶり公演(八戸市公会堂)※有料
17:00~/19:15~ お庭えんぶり(更上閣)※有料
18:00~、19:00~、20:00~ かがり火えんぶり(八戸市庁本館前市民広場)

2月18日(日)

11:00~12:00 史跡根城えんぶり(史跡根城の広場)※要入館料
13:00~16:00 えんぶり公演(八戸市公会堂)※有料
17:00~/19:15~ お庭えんぶり(更上閣)※有料
18:00~、19:00~、20:00~ かがり火えんぶり(八戸市庁本館前市民広場)

2月19日(月)

11:00~12:00 史跡根城えんぶり(史跡根城の広場)※要入館料
13:00~、14:00~ えんぶり一般公開(八戸市庁本館前市民広場)
17:00~/19:15~ お庭えんぶり(更上閣)※有料
18:00~、19:00~、20:00~ かがり火えんぶり(八戸市庁本館前市民広場)

2月20日(火)

13:00~、14:00~ えんぶり一般公開(八戸市庁本館前市民広場)
17:00~/19:15~ お庭えんぶり(更上閣)※有料
18:00~、19:00~、20:00~ かがり火えんぶり(八戸市庁本館前市民広場)

周辺観光とあわせて

八戸えんぶりは街中で行われるものが多いため、観光の合間にちょっと覗いてみる、なんてことも可能です。周辺には市が運営する珍しい本屋さん「八戸ブックセンター」や、八戸のかわいらしいお土産の購入や地元産の材料で作ったランチが食べられる「八戸ポータルミュージアム(愛称:はっち)」(期間中はえんぶりの展示や公演、ワークショップなどもあり)、2021年にあたらしく生まれ変わった「八戸美術館」なども。街中でバスに乗れば国宝の土偶がある「八戸市埋蔵文化財センター 是川縄文館」にもアクセスできますよ♪

雪が舞う中で行われる雰囲気たっぷりの八戸えんぶりを是非観に来てくださいね♪
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