木彫り熊の申し子藤戸竹喜。【生誕90年記念 藤戸竹喜の世界展】国立アイヌ民族博物館 北海道・白老町

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≪白熊の親子≫ (部分) 1999年 クス 個人蔵 撮影:露口啓二

6月29日(土)より、第8回特別展示「生誕90年記念 藤戸竹喜の世界展」が開催。

皆さまこんにちは。北海道通信部です。今日ご紹介するのは「国立アイヌ民族博物館(ウポポイ内)2階特別展示室」で、6月29日(土)より開催中の第8回特別展示「生誕90年記念 藤戸竹喜の世界展」」です。
北海道を代表する木彫家、藤戸竹喜(ふじとたけき、1934-2018)は、北海道の美幌町に生まれ、旭川市近文(ちかぶみ)で熊彫りの名工として知られた父・竹夫のもと、12歳から熊彫りを始めました。15歳で一人前の職人となり、仕事で訪れた阿寒の大自然に魅せられ、1964年、30歳で北海道釧路市阿寒湖畔にアトリエを構えて独立しました。
≪熊狩・コタンへ ≫1980年クルミ 個人蔵 撮影:露口啓二

はじめての観音像制作。

≪樹霊観音像≫(部分)1969年 イチイ 正徳寺蔵 撮影:露口啓二

独立後、藤戸竹喜に観音像の制作依頼が来ました。阿寒湖一帯の森林の活性化や、観光振興を担っていた前田一歩園の三代目園主・前田光子から、夫・前田正次の13回忌に際して注文されたものでした。
それまで藤戸竹喜は、熊以外の作品を手掛けた事がほとんどありませんでした。まずは、東京と奈良に1週間滞在して仏像を見て歩き、制作に半年かけ像を完成させました。この作品で自信を深め、制作の幅も大きく広がっていきました。

アイヌ民族の伝統的な彫りの技を受け継ぎ、独自の芸術世界を創造。

藤戸竹喜は、一貫して木彫制作に取り組み、アイヌ民族の伝統的な彫りの技を受け継ぎながら、自身のルーツであるアイヌの先人達の精神が宿る等身大立像や、北海道に生息する動物たちを題材に独自の芸術世界を創造しました。
2015年に北海道文化賞受賞、2016年には地域文化功労者として文部科学大臣表彰を受けました。
優れたイメージ力、構想力、生き物への深い愛情に満ちた写実表現は、群を抜いており、現在では北海道を代表する木彫家として、高い評価を受けています。

≪白熊≫(部分)1999年 クス 個人蔵 撮影:露口啓二

藤戸竹喜の制作スタイルとは。

藤戸竹喜の制作スタイルは、事前に下絵やスケッチをすることは一切なく、木の塊に目印となる線を引く程度で、いきなり鉞(まさかり)やチェーンソーで大まかな形を掘り出していきます。その後、鑿(のみ)で全体を整え、彫刻刀で表面を仕上げていきます。
「生誕90年記念 藤戸竹喜の世界展」では、藤戸竹喜の仕事の全容を、初期から晩年に至る代表作91点によって紹介するとともに、藤戸竹喜が受け継ぎ、収集したアイヌコレクションをあわせて紹介します。
会期は6月29日(土)より8月25日(日)までなっております。
≪親子熊≫2004年 クス 個人蔵 撮影:露口啓二

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