星野リゾート × *and trip. 連載企画第4回「スケッチブックで"つなぐ旅" ~秋・冬の東北編~」サステナブルな伝統工芸品【きみがらスリッパ】

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きみがらスリッパとデントコーン

「スケッチブックで"つなぐ旅" ~秋・冬の東北編~」連載第4回!

びゅうトラベルサービス 青森県出身社員
星野

スケッチブックを通して
その地域ならではの魅力を紹介する
「スケッチブックで"つなぐ旅" ~秋・冬の東北編~」


東北の魅力をお届けする前回の第3回は
星野リゾート 青森屋の下田中さんに
「じゃわめぐりんご祭り」を紹介してもらいました。

今回のスケッチブックでつなぐ旅、
星野リゾート 青森屋の下田中さんからのメッセージは
「青森らしいお土産を買って行きたい!
 何かおすすめありますか?」


このメッセージが書き込まれたスケッチブックが届いたのは、
びゅうトラベルサービス本社!
and trip編集部も入っている東京の本社オフィスです。


そしてスケッチブックを受け取ったのは
青森県出身の社員の星野です。
星野リゾートつながりで星野の名前で選ばれた?と思うかもしれませんが
実は星野、青森県の特に十和田に熱い思いを持っています。
というのも実は過去に「ミスとわだ」に選ばれたという経歴があります!
そんな星野がおすすめするのは


「青森の歴史と手作りの温かさを感じる
『きみがらスリッパ』がめんこくておすすめ!」


今回は青森県十和田の伝統工芸品「きみがらスリッパ」をご紹介します。
可愛い見た目ですが、土地の歴史が反映されており、
サステナブルな考えが注目されている現代だからこそ選びたいお土産です。

今までの記事

十和田の伝統工芸品!きみがらスリッパとは?

きみがらスリッパとデントコーン
今回、「きみがらスリッパ」をご紹介するにあたって
十和田きみがらスリッパ生産組合 事務局 株式会社 パワフルジャパン十和田の小泉さまにご協力いただきました。
小泉さまにおすすめポイントも聞いていますので、ぜひ参考にしてください♪

きみがらスリッパとは?

きみがらスリッパは、デントコーンの皮を主な材料として製作される伝統工芸品です。
「きみがら」とは青森の方言でトウモロコシの皮のことを言います。特徴として、1足20gという軽量さとデントコーンの皮ならではの保湿性・通気性の良さが挙げられ、これらの特徴は季節を問わず心地よく履き続けられる機能性に繋がっています。

原材料 デントコーンとは

収穫したてのデントコーン

デントコーンは、トウモロコシの一品種で、一般的に食される甘味のあるスイートコーンと違い、大型の粒(果実)で、配合飼料やコーンスターチの原料に利用されます。デントコーンの幹は、2mを超える大型のもので、5月中旬ごろ種まきが行われ、10月中旬ごろに果実の収穫が行われます。

きみがらスリッパの歴史

きみがらスリッパが製作された背景には、十和田市における馬産地としての歴史と、三本木婦人会らによる廃棄物利活用への取り組みがあります。当時の三本木という地域は、周辺の川が低地を流れていたために、川よりも高い土地では水を十分に確保することができず、田畑は川沿いの低地あるいは湧き水を頼りにごく小規模で開かれていました。

三本木の地は、後に新渡戸傳らの手によって開拓が進められますが、厳しい土地条件で田畑作を営んでいた農民達は、郡馬補充部の設置によって馬が高値で売買されるようになったことで馬を飼養し売却することで生計することへ営農スタイルを変化させていきました。

デントコーンは、不要な脂肪をつけにくいという特徴を持つ粗飼料で軍馬産業が確立していくにつれ、馬の飼育頭数とデントコーンの生産量は増加していきました。馬の粗飼料として与えていたデントコーンは果実のみを利用しており、皮の部分は捨てられ大量の残渣物として処理していました。

きみがら乾燥の様子
1947年、デントコーンの皮、「きみがら」に注目したのが、青森県庁に勤務していた十和田市出身・三本木高等学校卒業の若木技師でした。若木技師は、三本木婦人会へ「きみがら」を使って何か活用できないかと呼びかけました。

青森県と三本木婦人会主催で、山形県のガマの葉を編み込んで作った「ガマスリッパ」作りの講師を招き、作り方の講習会を開きました。製作方法を学び、ガマの葉の代わりに「きみがら」を使ってスリッパにしたのが「きみがらスリッパ」のはじまりとされています。

当時、八郷婦人会の会長だった白濱トキさんが講習を受け、その後、「きみがらスリッパ」の製作に熱心に取り組んでいただき、農作業が無い冬の農閉期には、白濱さん宅に集まった24名の皆さんは、どのように作ったら商品として認めてもらえるか日夜研究に励みました。現在の形になるまで10年の月日を要しました。それまでの間、白濱トキさんは参加された24名をいつも励まし、三本木婦人会や母子会や間に立って、販売に努力していました。

1963年に「十和田きみがらスリッパ生産組合」が設立され、きみがらスリッパは1998年3月に青森県指定伝統工芸品に指定され、生産組合の活動によって現在まで受け継がれています。

きみがらスリッパのここがおすすめ!

きみがらスリッパの特徴

きみがら乾燥の様子
1足20gととても軽く、デントコーンの皮ならではの保湿性・通気性に優れ、非常に丈夫で季節を問わず心地よく履き続けれられます。

十和田きみがらスリッパ生産組合 事務局小泉さんのきみがらスリッパおすすめポイント!

一般的に販売されているナイロンのスリッパと比較してもとても軽く、履いている感触を見失しなうほどです。柄についてもこの世に二つとして同一のものは無く、自身の持っているスリッパが唯一無二のスリッパとなる点もきみがらスリッパの希少性を高める点となっております。きみがらスリッパとの奇跡のめぐりあわせにご期待ください。

きみがらスリッパの購入は?

販売しているお店について

組合員の製作の様子

青森県内では
・道の駅とわだ
・十和田市観光物産センター
・八戸ポータルミュージアムはっち内にあるカネイリミュージアムショップ


青森県外では
・ビームスジャパン(東京都新宿区)


上記の店舗にて取扱いがございます。


※手作りで製作のため、店舗に写真等で掲載されているものと同じ柄がない場合がございます。

ラインナップとおすすめ商品

販売している様子

・きみがらスリッパLサイズ(27-29センチ)
・きみがらスリッパMサイズ(25-26センチ)
・きみがらスリッパSサイズ(23-24センチ)
・きみがらスリッパミニ(15センチ)
・きみがらスリッパミニミニ(8センチ)
・きみがらぞうりLサイズ(27センチ)
・きみがらぞうりMサイズ(23センチ)
・きみがらぞうりミニ(5センチ)


十和田きみがらスリッパ生産組合 小泉さん

「個人的にはキーホルダーにも使用できる各種ミニ&ミニミニサイズを推しております。」

製作体験もあります!

(体験希望者がいれば)
毎月第3日曜日の10:00から15:00に道の駅とわだ横にある、匠工房の和室にて製作体験を行っております。
ベテランの組合員が丁寧にスリッパ片方分を製作指導します。
(もう片方は事前に組合員が作ります。)
体験料は3500円、作成したスリッパはお持ち帰りいただけます。

※新型コロナウイルス感染症やその他状況により製作体験を行っていない場合がございます。
製作体験をご希望の方は事前にお問い合わせをお願いいたします。
TEL 0176-28-3611(十和田きみがらスリッパ生産組合 事務局)
※体験ご希望日の10日前までにお申し込み下さい。

最後にメッセージ

十和田きみがらスリッパ生産組合 小泉さんからメッセージ

製作の様子

きみがらスリッパは商品自体は5000円前後ととても高価ですが、一足一足が組合員の手作りです。
さらに、原料であるデントコーンも栽培から収穫までも組合員の手で行われており、収穫量も(1年で)200足程しか作られる程度しかございません。
希少価値の高い商品ではございますが、是非手に取っていただき、スリッパから感じられる温もり美しさを実感してください。
そこには心惹き込まれるスリッパとの出会いが必ずございます。

手にして実際に使ってみました

星野ときみがらスリッパ

きみがらスリッパを紹介するにあたり改めて購入いたしました!
手に持った瞬間その軽さに驚きます。
柄も色合いも一つ一つ違い、手作りならではの「自分だけのスリッパ」という感じがあり愛着が湧きそうです。
そしてもう一つ愛着が湧きそうと思ったのは、このスリッパは足のかたちや体温を覚える「形状記憶」スリッパということ!
履いているあいだにどんどんその人に合わせてなじんでいくようです。
履いてみると豊富なサイズ展開もあり、すでにフィットしている感じはあります。
ただ新品ならではの硬さは少し感じるので、履いているうちになじんで柔らかくなってくる…と考えると、
これから使っていくのが楽しみになるスリッパです。

星野リゾート × *and trip.連載企画「スケッチブックで"つなぐ旅" ~秋・冬の東北編~」次回は…?

びゅうトラベルサービス 青森県出身社員 星野
星野リゾート ×*and trip.連載企画「スケッチブックで"つなぐ旅" ~秋・冬の東北編~」
第2回はいかがでしたでしょうか?

and tripには「たびびと」と「まちびと」という2つのコンテンツがあります。
今回、びゅうトラベルサービスの星野より「まちびと」として「きみがらスリッパ」を紹介しました。
そして、もし星野が「たびびと」になって次に楽しみたいものは…?

「青森が懐かしくなってきた~!
地元さ帰ったら冬の青森ば体験したいじゃ~♪」

新しいリクエストをスケッチブックに込めて
次の「まちびと」へメッセージを届けます!

「スケッチブックで"つなぐ旅" ~秋・冬の東北編~」は
スケッチブックをたすきの代わりにして地域の魅力をつないでお届けします。
“伝統”から“現在”へ、“地域”から“あなた”へ
その地域に旅をしたくなるきっかけを星野リゾートと*and trip.からお届けします。

次回は12月上旬公開予定です。お楽しみに!

次回の記事

道の駅とわだ「とわだぴあ」

道の駅とわだ「とわだぴあ」外観
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