【海里】の運転士に聞く!お仕事内容からおすすめポイント、運転にかける想いまで!

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「のってたのしい列車」とはJR東日本が運行している、乗っている間に楽しい体験やサービスが受けられる、ちょっと特別な列車です。今回はその中から「海里」をご紹介します!

「海里」とは主に週末、新潟県と山形県の海岸沿いを繋ぐ白新線・羽越本線(新潟駅~酒田駅間)を走る列車です。この列車で楽しめるのは、古くから多くの料亭で栄えた新潟の食と四季折々の豊かな食材を使用した庄内の食、そして海と里がつくり出す絶景。

そんな「海里」の魅力を知っていただき、より楽しんでご乗車いただきたい!ということで、今回は「海里」運転士の清水さんにお話を伺いました。

お仕事内容や仕事にかける想い、運転士目線でのおすすめポイントなどを紹介していきます!
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「海里」入線の様子

「海里」運転士のお仕事内容に迫る!

「海里」の運転士は、お客さまを乗せた本線運転だけではなく、車両センターでの出発前の点検や車両の出し入れ、酒田駅構内の入換運転なども担当しています。普通の列車と異なり、車内で食事や景色を楽しむことが出来る「海里」の運転だからこそ工夫していること、のってたのしい列車の運転士の「おもてなし」についてお聞きしました!

快適な列車旅を支える運転技術

「海里」運転士の清水さん
ー「海里」運転士 清水さん
「「海里」では食事や飲み物を提供していること、車内をご移動されるお客さまも多いことから、ブレーキをかける時と速度にはかなり気を遣います。他の列車よりも優しいブレーキを使い、揺れを最小限に抑えることを心掛けていますね。また、カーブやポイント(進路が分岐する箇所)は通常よりも速度を抑えて運転します。そのほか普段の乗務の経験から考慮して運転をしています。」

景色を楽しむための工夫

「新潟・庄内の日本海側を運行する「海里」では、ゆったりと景色を楽しんでいただくために、所々で徐行しています。速度が低いと、ブレーキやノッチ(車で言うアクセル)を入れた時の衝動が大きくなります。観光徐行では、低いところでは10キロぐらいで走る箇所があります。車内では立って写真を撮るお客さまが多くいらっしゃいますので、速度の調節の際は気を遣っています。」

出発時のおもてなしも「海里」ならでは

「出発駅では乗車開始前に、運転士がドラを鳴らして旅の始まりを演出しています。ドラは何回も叩いていますが、毎回緊張しますね。バチが抜けそうになったこともありました。撮影されているお客さまも多いので、いいドラを叩くように心がけております。「お待たせいたしました。海里へようこそ!!」という思いで叩いています。」
ドラの音が「海里」出発の合図に

運転士による車内アナウンス

「「海里」では、運転士もお客さまにご挨拶のアナウンスをしています。ご挨拶の内容は、その時によって内容を変えていて、季節・天気・その日のイベント・お客さまの雰囲気などを考慮して話すようにしています。また、現在は定型文をなくして各運転士がオリジナルのご挨拶をさせていただいております。運転士がご挨拶する列車は全国的にみても珍しいと思います。運転士によって何を話すかも楽しみのひとつにしていただけると嬉しいです。」
車掌によるアナウンスの様子

「海里」運転士が語る、おすすめポイント

何度も「海里」に乗っている「海里」のプロである運転士目線でのおすすめポイントを教えていただきました!乗車する際は、以下のおすすめに注目です!

せっかくなら飲んでおきたい!新潟限定生ビールも

ー「海里」運転士 清水さん
「ずばり「海里」の魅力は、食と景観!これに限ります。また、車内では新潟限定生ビールの提供も行なっております。列車で生ビールの提供ができる数少ない列車です。乗車の際はぜひご賞味くださいね。」
4号車ダイニングで提供されるお食事(一例)

イチ押しの景色

「一番好きな景色は、観光徐行の区間・下りの今川駅〜越後寒川駅の間にあります「蓬莱山(ほうらいさん)」トンネルに近づいていくときの景色です。「ホーヤ浜」という砂浜に沿って線路は走ります。右カーブを進んで行くと、砂浜と蓬莱山の雄大な景色が広がります。」

車内のこだわりにも注目!

3号車 一面の窓から景色を堪能できます
「景色や食事だけでなく、車内にも注目していただきたいポイントがあります。1号車の座席は景色をより楽しんでいただくため、約3度窓側を向いています。また各号車には、日本海に浮かぶ夕日をイメージした化粧板があります。2号車は椅子をフラットにもできるコンパートメントとなっています。お客さまのお好みに合わせて「海里」での旅を楽しんでいただきたいです。」

美しく変化する「海里」の車窓

田園風景
「海里が走る新潟〜酒田は、本当にたくさんの表情を持っています。同じ季節でも、新潟と酒田では全く異なった景色になるのが面白いです。内陸を走っているとさっきまで雪があったのに、橋を渡ったら雪が全くなかったり、トンネルを抜けたら雪景色など。日本海沿線では、夏は透明度が高いとても綺麗な海を、冬には日本海らしい雪の花が舞っている荒れ狂う海を見ることが出来ます。海・水田・山・自然の芸術を堪能できる車窓となっています。」
日本海

「海里」運転士の想い

「海里」の運転士は、誰でもなれるわけではなく、いくつかの選考を経て乗務することが出来ます。「海里」運転士に立候補したときの意気込みや気持ちの変化などを教えていただきました。

「きらきらうえつ」の経験を活かして

ー「海里」運転士 清水さん
「もともとは、「海里」の前身でもある「きらきらうえつ」に乗務しておりました。廃止が決まり、「同区間で新しいのってたのしい列車が走る」と聞いてぜひ乗務したいという思いでした。「きらきらうえつ」で培った経験を活かし、さらに上質で楽しいひと時をお過ごしいただきたいと思っています。」
「海里」運転士の清水さん

運転士としての心構え

「のってたのしい列車の運転を担当しておりますが、決められた事を愚直に実行し状況に応じて最善の運転を行う「安全が一番」、という意味では通常の運転と何も変わりません。しかし、のってたのしい列車として、ただの移動手段ではなく「海里に乗ることが目的」となるお客さまも多いです。お客さまに安全で快適な旅を楽しんでいただけるように、運転でおもてなしをしています。」

お客さまへのメッセージ

「新潟と庄内を満喫できる、素晴らしい列車です。厳しい豪雪地帯の中で人々が助け合う「結いの精神」が、新潟・庄内地方の食にまつわる文化風習を支えています。その「結(ゆい)」をぜひ体験しに来てください。クルー一同、心よりみなさまのご乗車をお待ちしております!」
桑川駅停車中の「海里」

「海里」4号車ダイニングをご利用するなら「のってたのしい列車予約サイト」へ!

今後も「海里」の魅力に迫った記事や、他の「のってたのしい列車」に関する記事の掲載も予定しています。ぜひお楽しみに!

※「海里」4号車ダイニングは2022年4月より、Web予約限定となりました。
「のってたのしい列車予約サイト」はこちら

海里の魅力をより深く!

JRE MALL内「*and trip.オンラインショップ」では、「海里」を担当している新潟運輸区の運転士・車掌が「海里」ならではの業務や乗務員目線での「海里」運行開始当時のエピソード、途中駅の観光紹介など、「海里」の魅力がたっぷり詰まった動画を配信販売しています。もっと詳しく「海里」を知りたい方、「海里」が好きな方にはぜひご覧いただきたい内容となっています♪

今回お話を聞きした運転士の清水さんも登場!
配信動画はこちらから!JRE MALL内「*and trip.オンラインショップ」
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