古都と漆のふるさとをつなぐ新しい日本の旅をご提案!【漆の魅力に迫る京都~岩手3日間の旅・体験レポート①】
- 岩手
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プロローグ
今回のモニターツアーは、主に訪日旅行客をターゲットに実施しました。寺社仏閣などで多くの漆を使用する京都と、漆の生産地である岩手県二戸市・八幡平市を巡りながら、漆の文化的価値や素材としての完成度の高さを学んでもらい、訪日旅行者にとって馴染みの薄い東北エリアを含めた「新しい日本の旅」を提案しました。
1日目 京都市・金閣寺(鹿苑寺)
接着剤として使用される金閣寺の漆
金閣寺をはじめ岩手県の中尊寺や三重県の伊勢神宮など、日本国内の寺社仏閣等で広く使用されている漆ですが、化学塗料ではなく漆が現在も使用されるのには理由があると、日本では珍しい漆塗りと漆掻き(漆の採取)の両方を行う平井さんは話します。現代では一般的な化学塗料は大量生産が可能なものの、徐々に劣化するという特徴があります。塗った直後が一番美しく丈夫である化学塗料に対し、漆は正反対の特徴を持っています。漆に含まれる成分は空気中の水分から酸素を取り込むと液体から固体へ変化するという性質があり、時間が経つと徐々に丈夫になるので、耐久性の求められるこうした建築物で重宝されています。その一方で漆は紫外線に弱いという弱みがあります。この弱みを補うため、金閣では一般的な金箔の5倍の厚みを持つ金箔を2枚重ねで貼っており、金箔の非常に小さな穴を通る紫外線から漆の劣化を防いでいます。
1日目 京都市・堤淺吉漆店
奥が深い漆の特徴と精製
漆の世界を身近に感じることができる「Und.」
漆の様々な可能性を追求
その考えというのが、「多くの人に漆が自分たちに身近なもの、日常でも使える有用なものであるという共通観念を持ってもらい、生産者や職人が安定的に漆に関する作業ができる環境を構築する」というものです。日本国内で1年間に消費される漆の量は年々減少しており、今から50年ほど前の1975年が約500tであったのに対し、現在では30tを下回っています。漆の消費量が減ると生産者や職人の活躍できる場がなくなり、いままで受け継がれてきた漆の文化が失われる恐れがあります。そうした危機から漆の文化を守り、後世へとつなげていくため、身近なものに漆を使用してその良さを多くの人に知ってもらおうという取り組みが行われています。
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●所在地
京都府京都市下京区間之町通松原上る稲荷町540番地
●アクセス
市営地下鉄烏丸線 四条駅から徒歩約5分
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※画像はすべてイメージです。