北前船の歴史を残す廻船問屋 森家【富山県岩瀬】

  • 富山
富山港岩瀬運河近くの大町通りにある森家は、建築当時のたたずまいを残す日本海で活躍した北前船の廻船問屋で、国の重要文化財に指定されています。行きも帰りも荷を載せて「倍倍(ばいばい)」に儲かることから、地元では北前船のことをバイ船と呼んでいました。当時の200万両、今日では2,000億円の財産があったそうです。
幕末から明治にかけてが最盛期で、この森家も1878年に建築されました。重厚な縦格子が昔を思わせる玄関から、後ろの船着き場まで通り庭になっています。風格漂う主屋は、吹き抜けの木組の梁が大変見事です。
庭には土蔵が二つあり、扉には家紋と龍虎のコテ絵が描かれています。コテ絵とは、漆喰を用いて作られるレリーフのことで、左官職人がコテで仕上げていくことから名付けられたそうです。
その他、屋内は屋久杉の板戸、能登産黒松のはり、土間には小豆島産の巨大な1枚岩など、全国各地の材料を使った贅沢な造りとなり、見ごたえ十分です。館長が楽しく分かりやすく説明もしてくれるので、もっと北前船について知りたくなるかもしれません。

写真提供:公益社団法人 とやま観光推進機構
この記事に関連するタグ
前の記事 一覧へ戻る 次の記事