2024年4月 幻の鉄路 歴史に翻弄された旧戸井線跡を訪ねてみました【函館市】

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汐首岬(しおくびみさき)近くのアーチ橋

幻の鉄路 旧戸井線

2024年4月、以前ご紹介した一度も列車が通る事のなかった幻の鉄路、旧戸井線跡を訪ねてみました。
旧戸井線は函館本線の五稜郭駅から戸井町(現在は函館市)までの29.2㎞を結ぶ予定の鉄道路線で、第二次世界大戦中の昭和11年(1936)に建設が始まりました。
軍事物資の輸送もその建設の目的の一つでしたが、戦局の悪化や資材不足によって、工事区間が残りわずか2.8㎞となったところで、昭和17年(1942)に工事は中断されて、そのまま廃線となりました。
汐泊川河口付近にある「橋脚」
完成まで残りわずか2.8㎞のところまで工事が進んでいたため、旧戸井線の遺構は多く残っています。
上の画像は函館の湯の川温泉から汐首岬方面に車で10分程進んだ、汐迫川にかかる橋の左側に見える旧戸井線の橋脚です。70年以上前に作られたと思えないほど、どっしり、しっかりと建っています。

本州がもっとも近い場所 汐首岬

北海道~本州 最短の地
汐首岬~青森県の大間岬までは直線距離で17.5㎞。北海道~本州最短の地となります。戦後の青函トンネルの計画の中でこの最短ルートが検討されたこともありましたが、海底の地質などの条件が合わず、戸井線の工事が再開されることはありませんでした。もし青函トンネルががここを通っていたら、アーチ橋の上を颯爽と走る列車を見ることができたのかもしれません。
汐首漁港近くより撮影

沿線にはほかにも見どころがたくさん!

海の絶景
さて、函館市内から旧戸井線のアーチ橋までの間には、他にも多くの見どころがあります。海岸沿いを通るので、キラキラと輝く海面と、海越しに見える青森や、函館山などの景色。また途中には、地元の人たちが釜谷富士と呼ぶ標高243mの山を見ることができます。訪れた日はペンキ塗りたてだったため、座ってのんびりとはいきませんでしたが、これからの季節、山が緑色に覆われまさに、写真映えの景色が見られます。
函館から少し足を延ばして、歴史と自然を満喫してみてはいかがでしょうか。
画像撮影:2024年4月5日(金)
山の絶景(釜谷富士展望施設)
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