JRフルーツパーク仙台あらはまだより「世界最古の果物イチジク」

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こんにちは!「JRフルーツパーク仙台あらはまだより」です。
いよいよJRフルーツパーク仙台あらはまではブドウ狩り・ナシ狩りが開始!まだまだイチジク狩り・リンゴ狩りも続きますよ!秋の果物ラッシュスタートです!!

JRフルーツパーク仙台あらはまで楽しむ世界最古の果物、イチジク

意外と知られていませんが、南東北3県を中心に秋の風物詩としてイチジクの甘露煮が食卓を飾ります。
実はこの食習慣は、ほぼこの地域だけの食文化で、ある意味地域のソウルフードと言っても過言ではありません。
宮城よりも北に行けばイチジクが育たず食習慣がなく、関東以西では「桝井ドーフィン」の皮をむいて生食します。
甘露煮として食される「ブルンスウィック」

この地方で甘露煮するイチジクは最近まで「在来種」と言われていましたが、宮城県農業・園芸総合研究所の調査でフランス生まれの「ブルンスウィック」であることがわかりました。
アダムとイブの物語に登場し、世界の最古の果物の一つといわれる果物ですが、実は日本には江戸時代に渡ってきたとされています。このイチジクが「蓬莱柿(ほうらいし)」として、島根県などで作られています。
日本で流通しているほとんどのイチジクは、「桝井ドーフィン」で、この「蓬莱柿」と「ブルンスウィック」は地域特有の品種といえそうです。


宮城県では甘露煮用イチジクとして、9月上旬からスーパーに並びます。南東北以外ではあまり見られない光景ですね。

ただ、世界に目を転ずると驚くほど数多くの品種があります。
糖度が高く皮ごと食べられる品種群は、皮が薄いため輸送性がなく、市場ではほぼ買えません。
JRフルーツパーク仙台あらはまでは、そんな世界の品種を16品種集めました。いろいろなイチジクを、この秋試してみませんか?

夏果と秋果

宮城県では6月中旬頃から小さなイチジクが、その年伸びた枝の葉の付け根にひょっこり顔を出します。
80~90日で熟してきますが、その年に熟すものを秋果と呼びます。枝の先端の芽が翌年伸び始める頃、芽の下にある部分が急速に肥大して7~8月頃熟します。これが夏果(花無花果)です。
一般に、夏果は大きいけれど淡泊な味わいで、秋果は小ぶりですが濃厚な食味になります。今からの季節は秋果が出回りますね。
左:イチジク秋果
(果実は葉の付け根にあります)
右:イチジク夏果
(果実があるところに葉はありません)

イチジク漢字で書けますか?甘いのは果実の先側?軸側?

イチジクは漢字で書くと「無花果」ですが、読んで字のごとく花もつけずに果実がつくことから当てられた言葉と言われています。
また、一晩で熟しことから「一熟」から転じた言葉とも考えられています。
中国では「映日果」の別名があり、そこから読みが変化して今の無花果になったとの説もあります。
日本には江戸時代に天草に伝えられたとされいて、その頃の呼び名「南蛮柿」が今でも天草地方には残っているようです。


イチジクの果実は「花托」と呼ばれる花を載せる台の部分と小花の集合体です。
果実の表面が花托で、果実を割ると現れる赤いヒダ状のものが花です。
このため、本当は花があるにもかかわらず花が咲かないのに果実がなると誤解されたわけです。
果実はイチゴと同じように、軸部分よりも軸の反対側が甘いので、直川から先に向かって食べていくと甘さがだんだん増していきます。


果実断面の白いところが花托、赤いところは小花の集合体です。果実内の色は品種によって異なります。写真の品種は「ブリジャソットグリース」、鮮烈な赤が印象的ですね。
向かって左側が軸方向、右側が先端方向で、右側の方が甘いです。食べるときには左側からどうぞ

フルパの代表的なイチジク

「カドタ」

イタリア原産の緑色のイチジクです。
日本におけるイチジクのイメージは熟すと赤紫色になるイメージですが、「カドタ」は緑色のままです。
果肉も赤くならず、まさしく蜜色になります。蜜が浮き上がるくらいジューシーで、濃厚な甘さがとろけるような食感と共に楽しめます。
お店では買えない、でも絶対に食べたいイチジクです。

「バナーネ」

フランス生まれで,「ロングドゥート」という品種名でも知られる皮毎食べられるイチジクです。
完熟しても果皮が緑色で,日の当たるところは紫色の縞が入り,表面に白く亀裂が入ります。糖度は18~20度になり甘く,濃厚な食味です。トロッとした蜜が入った果肉になります。

「ビオレソリエス」

フランス生まれの紫黒イチジク。
国内では「黒いダイヤ」とも呼ばれる高級イチジク。一般的なイチジクよりも扁平な形をしており、果皮は薄く皮ごと食べられます。
果肉は赤く、ネットリした食感で大変甘くなります。いわゆる目の部分から、蜜がとろっと出てきた果実は、まさにダイヤの風格です。

「ブリジャソットグリース」

スペイン由来と言われる、緑地に紫がかった色のイチジクです。
果肉は鮮烈な赤で、とても印象深いです。甘さの中にイチジクとしては多めの酸味が含まれるので濃厚な食味です。
独特の香りもあり、ジャムにすると極上品ができます。バナーネなどよりもやや遅く収穫が始まり、9月中頃からが熟期です。

「セレスト」

アメリカ生まれの茶色いイチジク。
果実は小ぶりで、20~40gです。熟すとライトブラウン系、さらに熟すと紫がかってきます。
果肉はイチゴのような色調で、風味は素晴らしく甘く芳醇な味わいです。
果実が小ぶりなのでほとんど経済栽培されていないので、お店ではまず買えないイチジクです。

「ヨルダン」

イスラエルの在来種で、ヨルダン川沿いに自生しているとも言われます。別名「イスラエル」。果実は大きく、果皮は薄茶色から赤紫になります。
食味は素晴らしい風味で、ジューシーで新鮮な印象です。果肉はビビッドなイチゴ色です。

「リサ」

「珍しいニュージーランド原産のイチジクです。
熟すと表面は紫がかった茶色になります。
イチジクの中では酸味を感じるタイプと言われています。イチジクらしい香りがあり、クセのない味で美味です。

フルパでは、フランス、イタリア、スペイン、アメリカ、イスラエル、ニュージーランドなど、いろいろな国のイチジクが味わえます。是非、お気に入りを見つけてくださいね。

料理にも使いたいイチジク

イチジクは生食は生食はもちろん、凍らせてシャーベット、チーズと生ハムを合わせてワインのお供、天ぷら、田楽、肉料理の付け合わせなど、様々な料理にとても良く合います。タンパク質分解酵素や多くのミネラルと食物繊維を含み、栄養学的にも素晴らしい食材です。ギリシャではイチジクのジャムにマスタードをいれるそうですよ。皆さんも一手間かけて、イチジクの世界を広げてみてはいかがでしょうか?

イチジクの田楽(左上水色の皿)
品種はビオレソリエス         
イチジクの揚げ出し(右上)
イチジク甘露煮ごまだれ(下中央)
イチジク甘露煮梅酢(下右)

イチジクサラダ
イチジク(品種はカドタ)、トマト、モッツァレラチーズ、ルッコラ

「JRフルーツパーク仙台あらはま」公式サイト
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