JRフルーツパーク仙台あらはまだより「皆さん、ナシは幸水、豊水、二十世紀だけだと思っていませんか?」

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こんにちは!「JRフルーツパーク仙台あらはまだより」です。最近はカフェ「レ・ポム」の新メニューや夏野菜収穫体験についてご紹介してきましたが、ついに実りの秋がやってきます!

今回は秋のフルーツとして人気も高い「ナシ」を紹介していきます。

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JRフルーツパーク仙台あらはまのナシは、まさに多士済々!

「ナシ」の種類、どれくらい知っていますか?

秋の果物といえば、ナシ。日本人にとって弥生時代から食されていたなじみ深い果物です。戦前は青ナシの「二十世紀」、赤ナシの「長十郎」が長く親しまれていました。戦後からは「幸水」、「豊水」が育成され、「ガリッ」から「シャリッ」へ食感が変化してきました。肉質の変化とともに、色、大きさ、食感、果汁の量、香りの種類、甘味、酸味のバランスが異なる数多くの品種が誕生し、まさに百花繚乱の時代になったといえます。これからは、特に口から鼻に抜ける香りを楽しんでいいただきたいと思います。

2022年のナシ狩りは9月初旬から

「JRフルーツパーク仙台あらはま」(以下「フルパ」)では、秋の味覚の代表格ナシをなんと19品種も栽培しています!天候にもよりますが、2022年は9月初めからナシ狩りが楽しめる予定です。早生種のナシだけでなく晩生のナシも充実していて、10月末頃までナシ狩りができますよ。フルパのナシ狩りの特徴は「多品種長期間」。2週間毎に旬を迎えた品種が変わり、いろいろな味のナシに出会えます。

ナシの栽培方法は最新技術のジョイント栽培!

フルパのナシは「ジョイント栽培」という最新技術で栽培されており、小さなお子さんでも踏み台無しで目の前にあるナシを収穫できるんですよ!ご家族連れで「私を呼んでいるナシはどれ?」とじっくり品定めをして収穫しましょう。

上の写真は、フルパで運営している「せんだい農業園芸センターみどりの杜観光農園」におけるジョイント栽培のナシで、2021年の様子です。定植してから5年、結実して4年目の樹です。ナシがなり始めている場所の高さは1mくらいですので、小さなお子さんでも簡単に自ら収穫できます。お母さんはお子さんの収穫の瞬間をしっかり写真に収めてくださいね。

ジョイント栽培とは・・・
植え付けてある樹を一方向に全部接ぎ木してつなぎ合わせる(つながるので、ジョイント)技術です。そうすることで、ナシが整列したかのように生るため、収穫などの作業管理がとても楽になります。果実の大きさも揃って、収量も増えるんですよ。

ナシは大きく分けると2種類!

ナシは青ナシと赤ナシの2種類に大別されます。鳥取ナシで有名な「二十世紀」は青ナシの代表格ですね。茶色いコルク層が発達せず、緑色から黄色に果実が変わります。
青ナシ「秀玉」
赤ナシの主力品種は「豊水」と「あきづき」で、果実全面にコルク層が発達して、ナシらしい赤茶になります。
赤ナシ「あきづき」

フルパのナシラインアップ!

フルパの2022年トップバッターは少量ですが、赤ナシ「愛甘水」、青ナシ「なつしずく」のコンビです。こちらは店頭での販売になりそうです。「愛甘水」は名前の通り、甘いナシです。「なつしずく」はジュースが多く爽快な味です。

9月の品種は「幸水」「あきあかり」「ほしあかり」「なるみ」

9月初めからはいよいよ定番「幸水」が始まります。さらに、甘味が強い「あきあかり」、「ほしあかり」、「なるみ」が続きますが、これら3品種はほとんどお店には並ばないレア品種、皆さんには是非知ってもらいたいナシです。

幸水

ニホンナシの主力品種。果実を切るとこぼれるばかりの果汁と白い果肉が現れます。「早生幸蔵」×「菊水」の交配で、昭和34年デビューですがまだまだ主役の座にあるナシです。
肉質は緻密で柔らかく、万人に愛される味です。

あきあかり

2001年に発表された赤ナシ。162-29(新高×農水)×平塚17号(雲井×幸水)から、誕生しました。「幸水」より1週間程度遅く収穫されます。
果皮は赤ナシらしい黄赤褐色で、果実表面は「豊水」のようにざらつきを感じます。幸水よりも大きく、400g以上のナシになります。
比較的軟らかく、酸味をほとんど感じません。「豊水」の酸味が苦手な人にはおすすめです。果汁がとても多く、食味は優れます。

なるみ

農研機構果樹茶業研究部門が「162-29(新高×豊水)」に「269-21(おさ二十世紀×豊水)」を交配育成した品種です。
果重は400~600gと大きく果形は円形。肉質はやや軟らかく、果汁が多く甘みが強いです。果芯の部分に少し酸味を感じます。
宮城県では9月中下旬の収穫になります。「豊水」と同時期のナシで、仙台ではとても珍しい品種です。「豊水」の酸味が少し苦手な人へお勧めします。

10月は王者「あきづき」が登場!

その後、10月になると王者「あきづき」が登場です。食味のバランスの良さは天下一品!現代日本が誇るナシといえます。最後を飾るのは、500gオーバーは当たり前の大きく、甘い「甘太」です。まさに名は体を表すナシです。

あきづき

日本梨の晩生主力品種。(「新高」×「豊水」)×「幸水」による交配種。現在の日本の3大主力品種の血を受け継いだ期待の星です。
果皮は黄赤褐色の赤ナシで中程度の大きさの果点が密に分布します。果肉は白色で、ほぼ「豊水」と同程度の軟らかさです。果汁がとても多く、酸味は少なく、食味は非常に優れます。果実のシャリ感、甘さ、酸味の少なさ、果汁の多さが高次元でバランスされた優等生です。

甘太

「王秋」(梨では珍しく縦長の晩生品種)に「あきづき」の交配で、「新高」に代わる品種として期待されています。平成27年に登録されたばかりです。
名前の通り甘さがあり、500g以上になる大きな品種です。甘さがある上に、少し酸味もあるので食味は濃厚です。

梨狩りなら、JRフルーツパーク仙台あらはまへ!

フルパではこれらのナシの他にも、夏休みに間に合うよう「はつまる」、「香麗」、「甘ひびき」の早生種、甘系「南水」、香り高い「秀玉」、「秋麗」、「かおり」などいろいろなタイプの品種を揃えました。さらには、「凛夏」、「トーキョーELLIE」(9月上旬~)、「有水(アリス)」(9月下旬~)、「大天梨」(10月中旬~」等、レア度満点の品種群も徐々に成りこむ予定です。品種の食べ比べから、奥深いナシの世界を覗いてみましょう!

※フルパの最新情報は以下の公式サイトにてご確認ください。
「JRフルーツパーク仙台あらはま」公式サイト
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