カフェのまち盛岡「喫茶店の日」特集②【オンディーヌ】
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盛岡の喫茶店特集 第2回(全8回)
魅力的な喫茶店やカフェが多い街盛岡から、おすすめのお店をシリーズで紹介していきます。
書店の上の喫茶店
書店の脇を通り抜けて階段を上がり、書籍フロアの中に小さな水色のドアが見えたら、それがオンディーヌの入り口です。
創業はビルができた当初の1972年。往来の激しい大通りの中心部にありながら、ひとたび店の中へ足を踏み入れれば、喧騒と隔絶されたような穏やかな空気に包まれます。
ビルの前には小さな看板が一つあるのみで、もしかすると大通りを歩くのが初めての方は、喫茶店の存在に気付かずに通り過ぎてしまうかもしれません。しかしそれがまた、この店の雰囲気を作り上げています。
懐かしさがそろったメニュー!
それもそのはず。ボリューミーなナポリタンには、サラダとスープ、そしてコーヒーまでセットになっているのです。
舌に絡みつくような甘くてクリーミーなソースを口いっぱいに頬張ると、幸福感がじんわりと胸を満たしていきます。さっぱりとしたサラダを挟んで、またナポリタンを……そこには幸せな無限ループが。
定番のナポリタンを始め、ミートソース、ペペロンチーノには大盛や特盛もあり、しっかり胃袋を満たしたい方へのニーズも完璧です!
透き通るようなグリーンのソーダは、少し薄暗い照明の下では一層その明るさが際立ちます。窓からの光がほのかに溶けたアイスの表面をつややかに照らす様子は、思わずごくりと喉を鳴らしてしまいそうな光景です。
何よりお店のレトロな雰囲気によって、クリームソーダの可愛らしさが更に引き立っています。
今回は撮影できませんでしたが、おすすめフォトスポットは窓際。大通り商店街のビルは景観条例で低めに建てられているので、晴れた日には青空と商店街をバックに写真を撮れるかもしれませんよ♪
パスタには創作メニューも
そして喫茶店といえばもうひとつ思い浮かびませんか?そう、ピラフです。他の喫茶店ではあまり見かけなくなってしまったこのメニューも、創業当時から変わらず作り続けてきたそう。学生時代にここでデートの待ち合わせをしたという方が、数十年ぶりにご来店されることもあるといいます。その頃から定番であり続けたメニューがあるからこそ、懐かしい思い出にも浸れるのかもしれません。
しかしそこで終わらないのがオンディーヌ。メニューを読む目を下の方まで走らせると、「しょうが焼きスパゲティ」「牛すき焼きスパゲティ」の文字が!
反射的によだれが出てしまうような文字列を並べるのは、なんとオーナーの創作メニュー。イタリアンではなくジャパニーズ風のものをと、時代とともにオリジナルスパゲティを増やしていったそう。
メニュー1つとっても、懐かしさも可愛らしさも面白さも、全部ぎゅっと詰め込んだオンディーヌならではのラインナップです。コロナ以前はファミリー層からお年寄りまで、幅広い客層が足を運んでいたというのも頷けます。
息をつくひと時にコーヒーを添えて
ピアノの音楽が流れ、落ち着いた風情でありながら、店内はほどよく会話も聞こえて話しやすい空間です。
1階で本を買い、2階でコーヒーを飲みながら、買ったばかりの本のページを初めて開くときの高揚感も、この穏やかな空気があるからこそとも思えます。
今はコンビニでコーヒーを手軽に買えてしまうような時代ですが、だからこそ一杯のコーヒーで買うのは、自分だけの時間と上質な空間なのかもしれません。
気軽に立ち寄れる安心できる場所、それがオンディーヌの一番の魅力です。
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●所在地
岩手県盛岡市大通2丁目2-15
●アクセス
盛岡中心市街地循環バス『でんでんむし』に乗車し、「菜園川徳前」にて下車後、徒歩3分。
または盛岡駅から徒歩20分。
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