秋田県 【八幡平 後生掛温泉旅館】 第7弾 湯守に聞く「地・温泉」の魅力

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「THE ONSEN」の魅力に迫る!

旅行の楽しみといえば、その土地ならではのグルメや季節ごとに表情を変える絶景、あとはやっぱり「温泉」ですよね!東日本各地に「地・温泉」と呼ばれる、その地に根差し地元の人に昔から愛されてきたお湯があることはご存知でしょうか?かつては湯治場として、そして現在も人々を癒す温泉宿の数々。身も心も温まる「地・温泉」の魅力をインタビュー形式でご紹介します!

「湯守」とは…

「お湯を守る」と書いて「湯守(ゆもり)」。言うなれば、温泉の管理人です。お湯の量や温度などを管理する役割を担っています。本企画で紹介する「地・温泉」の湯守たちが誇る、各地に根付いた伝統的なお湯は長い歴史の中で彼らによって守られているのです。

八幡平の大自然に囲まれた湯治場 八幡平後生掛温泉旅館

連載企画「湯守に聞く「地・温泉」の魅力」第7弾としてご紹介するのは秋田県の八幡平後生掛温泉旅館。湯守の阿部さんにお話をお伺いしました。

大地のエネルギーに満ち溢れる後生掛温泉

外観 夏の様子
ー秋田県、八幡平国立公園の中に位置するということですが、旅館のまわりにはどのような景色・自然が広がっているのでしょうか?

湯守 阿部さん
「当館は標高約1,000メートル、周囲をブナなどの森林に囲まれ、新緑や紅葉、様々な高山植物など八幡平国立公園の四季折々の風景を楽しんで頂けます。
また、後生掛周辺は八幡平の中でも特に火山活動が活発な地域で、日本最大級の泥火山や広がり続ける大湯沼、激しく墳湯する源泉「オナメ・モトメ」など、溢れる大地のエネルギーを間近で体感できるエネルギッシュな環境でもあります。これらを巡るコースは後生掛自然研究路として整備されており、例年6月上旬~10月下旬頃まで散策することができます。」

一番人気は泥を多く含んだ『泥湯』

大浴場
ー大浴場で楽しめる7つの湯には体の隅々まで癒す力がありそうですが、その中でも特に地熱のパワーが豊かな後生掛温泉ならではのお湯やその特徴、魅力を教えてください。

湯守 阿部さん
「当温泉は泥を多く含んだ灰白色のにごり湯です。中でも一番人気は全身温湿布効果・美肌効果抜群の『泥湯』。源泉の成分豊かできめ細かい泥を肌になじませながらゆっくり半身浴頂くことで、温湿布のようにじんわりと患部を温め、かつ肌もすべすべになると評判です。
※源泉の濃い泥の為、お肌の敏感な方は少量・短時間からお試しください」

自然の温熱を活用した『後生掛式オンドル』の魅力とは?

オンドル
ー大浴場と同じく源泉かけ流しの小浴場やオンドル処があることも特徴的ですね。特にオンドルもある温泉旅館は珍しいと思います。その魅力や楽しみ方を教えてください。

湯守 阿部さん
「周辺の豊富な地熱や天然蒸気によりお部屋を床から温める仕組みが『後生掛式オンドル』。全て自然の温熱を利用している為、人にも環境にも優しい施設です。
オンドル室内は通年で30℃以上。地熱や木樋を伝う蒸気によりじんわりと温められた床と、温泉成分を含んだ適度な湿度の室内で横になっているだけで、入浴に近い効果を長時間得ることができます。
もっと多くの人にオンドルの良さを知って・体験して頂きたく、日帰り利用&旅館ご宿泊者の体験スペースとして「オンドル処 もえぎ」をオープンしました。お越しの際は是非ご体験ください。」
黒たまご

気持ちのいい温泉は湯守の手で守られているのです

ー大浴場には様々な種類の温泉があり、それに加え小浴場やオンドルもあるとお湯の管理も複雑になりそうですが、大変なことはありますか?

湯守 阿部さん
「温泉やオンドルに使用している源泉や蒸気は全て自然に墳湯・噴出している物を利用している為、必ずしも温度は一定ではありません。また気温や降雨・降雪等、気候・気象の影響も受けます。自然が相手のため完璧というのは難しいのですが、可能な限り快適に気持ちよくご利用いただけるよう調整や管理に努めています。」

秋田を感じるお食事 きりたんぽは必食!

夕食(イメージ)
ーお食事も「地のもの」を使った旬を感じるラインナップになっていて、魅力的です!こだわりポイントやお客さまの反応などお聞かせください。

湯守 阿部さん
「ここ鹿角は「きりたんぽ」発祥の地。料理長こだわりの自家製比内地鶏スープと毎朝作り立てを仕入れる”たんぽ”で作るきりたんぽ鍋は大変好評を頂いており、現在は通年でご提供しています。また、八幡平周辺は自然の恵みの宝庫。旬の山菜や野菜は天ぷらやお浸しのほか、蒸し物や焼売などの変わり種になることも。
秋田杉を使った”曲げわっぱ”は隣の大館市の特産品で、機能的ながら可愛らしい見た目。器も含めてお愉しみください。」
人気のきりたんぽ鍋(イメージ)

湯治場として多くの人を癒し続ける後生掛温泉

ー通常の旅館だけでなく、湯治部があることからもその歴史を感じます。後生掛温泉での湯治の魅力を教えてください。

湯守 阿部さん
「『馬で来て 足駄で帰る 後生掛』(心身の不調から馬の背に揺られて来た人も、しばし湯に浸かり療養すれば、帰りは足駄(高下駄)を履いて山道を下るほど平癒する) の句としても伝わるとおり、後生掛温泉は約300年程前から近郷近在の方々の病気やケガの療養の為の湯治湯として親しまれてきたと言われています。
温泉とオンドル、そして豊かな自然に囲まれた環境。これらが揃っていることが、昔から湯治湯として親しまれてきた理由ではないかと考えています。」

カフェやオリジナル土産にも注目!

泥パック
泥石けん
ー歴史を感じる一面もあれば、おしゃれなカフェや源泉の泥を使ったオリジナル商品の販売等、新たな取り組みにも積極的な印象です!おすすめポイントやそのきっかけ等あればお聞かせください。

湯守 阿部さん
「昨年、旧食堂をごしょカフェへリニューアル。今春オンドル処もえぎをオープンしました。歴史ある温泉は維持しつつ、より幅広い世代の方が楽しめる・親しんで頂ける、そんな宿にしていきたいという思いからです。」
そばおにぎりセット
バーガーセット
湯守 阿部さん
「カフェでは、地元八幡平ポークを使った黒いGosho-Cafeバーガーや、当温泉で茹でた温泉たまごを添えた薬膳カレー、まげわっぱを使ったわっぱそばのタレはきりたんぽにも使う比内地鶏でダシを取るなど、一工夫してありいずれもおススメです。

また、売店で販売しているオリジナルの『泥石けん』、『泥パック』は源泉の泥を練り込んでおり、『泥湯』の効果を手軽に体感頂け、お土産としても人気です。」
(左)ごしょカフェ内観(右)売店内観

湯守のおすすめ 夏~秋おすすめの過ごし方は?

ーこれから夏、秋を迎えますが、旅館周辺の様子はどのように変化しますか?またおすすめの過ごし方を教えてください。

湯守 阿部さん
「これから夏にかけては高山植物の盛りです。当館からほど近い大沼は八幡平を代表する高山植物の名所。後生掛自然研究路と合わせ散策コースとして最適です。
紅葉は10月上旬~中旬頃。八幡平が一年で美しく、そして賑わう季節でもあります。
当館は湯治湯としてご連泊のお客様が多いのも特徴で、好天時は周辺散策で軽く汗を流し、雨天時は朝昼晩の温泉とオンドル体験といったプチ湯治泊もおすすめです。」
(左)館内イメージ(右)客室例 8畳和室

後生掛温泉のパワーでエネルギーチャージ!

いかがでしたでしょうか?今回は「八幡平後生掛温泉旅館」について、詳しくお話をお伺いしました。温泉の効能、大地のパワーを存分に満喫できる八幡平後生掛温泉旅館で、ぜひ湯治体験をしてみてくださいね。
小浴場

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◆次回予告◆

連載、湯守に聞く「地・温泉」の魅力 では、今後も東日本の「地・温泉」の魅力を皆さまにお届けします!次回以降もお楽しみに♪
「地・温泉」について、詳しく知りたい方は下記のリンクボタンよりご確認ください。
JR東日本HP「地・温泉」
取材協力:八幡平後生掛温泉旅館

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