海岸と夕陽が似合う北東北のローカル鉄道「五能線」 リゾートしらかみで楽しむ車窓【その2】

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写真提供 JR東日本秋田支社 東能代駅
【お知らせ】2022年8月に発生した大雨の影響で一部区間で運休が発生しています。詳しくはJR東日本HPをご覧ください。(2022/8/29追記)
JR東日本HP(東北エリア運行情報)
今まで五能線沿線やその美しい景色を楽しむリゾート列車リゾートしらかみの魅力を様々な面より伝えてきましたが、今回は五能線が絶景と言われる由縁のひとつ、日本海に沈む夕陽に焦点を当ててご紹介をしていきます。季節により海岸沿いで夕陽を眺められる場所は異なりますが、時季をずらせば幾つもの箇所でノスタルジックな雰囲気のなか、表現の仕様がない現実か夢ともつかないような光景の空間を旅することができます。

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東能代駅ホームの名物、待合室が列車!?

こちらは五能線の基点となる東能代駅にある、リゾートしらかみのクマゲラ編成を模した待合室。そして、五能線のキロポストの上には日本海に沈む夕日が描かれています。この駅から始まる五能線の旅の醍醐味として夕陽は欠かせない、その夕陽を楽しんできて欲しいとのメッセージが託されているように思えますね。

青い海からオレンジ色に変わりゆく日本海

陸奥岩崎~十二湖
写真提供 JR東日本秋田支社 東能代駅
広戸~深浦 
写真提供 JR東日本秋田支社 東能代駅
海が見えることで知られる五能線。海が見える区間は、東八森から鯵ヶ沢を過ぎる辺りまで。海岸沿いを走る大間越駅から千畳敷駅は深浦町に属し、海岸線のどこからでも夕陽を眺められることから夕陽海岸と命名されており、その地域を走る五能線からも美しい夕陽が眺められることができます。夕陽間際で少し眩しいくらいの日差しが車内にさしこんでくるのも心地よく、やがてオレンジやピンクを帯びた夕陽に変わってきます。

夕陽の町 深浦

深浦駅は「夕陽のまち深浦」とのキャッチフレーズで、駅名標には夕陽が描かれています。深浦駅から徒歩10分圏内に遊歩道の整備された大岩、深浦港に面した夕陽公園があり美しい夕陽を眺めるスポットがあるほか、付近の国道101号線も海に面しているので海を見ながらの散策ができます。五能線の列車を撮影する有名スポット行合崎海岸は深浦駅が便利です。

駅間約10キロ 県境を跨ぐ大間越~岩舘

大間越~岩舘
写真提供 JR東日本秋田支社 東能代駅
大間越~岩舘
写真提供 JR東日本秋田支社 東能代駅
五能線を代表する区間は幾つもあるのですが、ここ大間越~岩舘もその区間に数えられます。秋田と青森の県境で距離があるこの区間では、眺望の良い区間を列車が走ります。ひと口に海沿いと言っても砂浜沿い、岩場沿い、海岸を俯瞰する鉄橋からとバラエティに富んでいる区間です。見える道路は大間越街道と呼ばれ、サンセットロードとしてこちらも東北屈指の絶景街道として人気の道。

岩舘の駅標には、付近の五能線が走る様子や車内からの眺めが描かれています。

日中だとこのような大間越~岩舘

写真提供 JR東日本秋田支社 東能代駅
写真提供 JR東日本秋田支社 東能代駅
日中は日中で素晴らしい景色。砂浜が眼前であったり、国道越しの海など眺め方のバリエーションが豊富な区間です。夕陽が素晴らしい区間は、日中も当然穏やかな海や水平線が美しいですよね。五能線を代表する区間は幾つもあるのですが、ここ大間越~岩舘もその区間に数えられます。

ホームから僅か数歩の距離で広々とした岩畳散策が!

写真提供 JR東日本秋田支社 東能代駅
写真提供 JR東日本秋田支社 東能代駅
海に面し海に沿って走る五能線は、海を臨めるホームも多くありますが、そのなかでも海辺の散策に適した駅と言えばそれは、断然に千畳敷駅ではないでしょうか。海や石畳、奇岩を前にして気は、はやり高ぶるものの、駅前は国道。渡る際はしっかり左右をみて自動車に気を付けながら横断してくださいね。

乗務員がおすすめ!散策可能な嬉しい停車時間♪岩畳の散策、潮風を浴びよう!

写真提供 JR東日本秋田支社 東能代駅
千畳敷とは、かつて津軽のお殿様がこの地に畳千枚を敷いて大宴会を開いたとの伝説によるものです。駅正面には広々とした石畳が続き、波打ち際に近づけ水平線を広く見渡すことができ、少々駆け足気味とはなりますが海辺の散策を楽しむことができます。出発時間が近付くと、それを知らせるために列車の警笛が鳴らされ乗り遅れることがの無いよう配慮がなされます。これもまた、千畳敷散策のイベントの1つであると言えるでしょう。
写真提供 JR東日本秋田支社 東能代駅
いかがでしたでしょうか?夕陽にさしかかる時間帯は時季によって異なりますし、乗っている列車が青森方面への列車か、秋田方面の列車かによって車窓への角度が異なり、同じところを走ったとしても景色の見え方は異なります。何度も乗ってみたいと思わせる魅力を秘め、車窓を眺めること自体が旅の目的として充分成り立つお勧めの路線です。今から計画を練って冬の澄んだ快晴の時季、又は来春の雪どけの時季の津軽平野の春の訪れと合せて、夕陽鑑賞を組み込んでみてはいかがでしょうか?

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