岩手県【夏油温泉 元湯夏油】第32弾 湯守に聞く「地・温泉」の魅力

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「THE ONSEN」の魅力に迫る!

旅行の楽しみといえば、その土地ならではのグルメや季節ごとに表情を変える絶景、あとはやっぱり「温泉」ですよね!東日本各地に「地・温泉」と呼ばれる、その地に根差し地元の人に昔から愛されてきたお湯があることはご存知でしょうか?かつては湯治場として、そして現在も人々を癒す温泉宿の数々。身も心も温まる「地・温泉」の魅力をインタビュー形式でご紹介します!

「湯守」とは…

「お湯を守る」と書いて「湯守(ゆもり)」。言うなれば、温泉の管理人です。お湯の量や温度などを管理する役割を担っています。本企画で紹介する「地・温泉」の湯守たちが誇る、各地に根付いた伝統的なお湯は長い歴史の中で彼らによって守られているのです。

全国でも珍しい足元自噴泉で究極の温泉浴ができる「元湯夏油」

連載企画「湯守に聞く「地・温泉」の魅力」第32弾としてご紹介するのは「夏油温泉 元湯夏油」。湯守の髙橋さんにお話をお伺いしました。

※元湯夏油は現在冬季休業中です。営業再開は2025年5月上旬を予定しています。

岩手県の豪雪地帯に位置する「夏油温泉」の特徴と効能

―開湯から1100年以上とも言われる長い歴史の中で、多くの人が癒されてきた夏油温泉ですが、元湯夏油さんの温泉の魅力、源泉の特長などを教えてください。

湯守 髙橋さん
深山幽谷の渓流沿いに温泉が湧き出ており、温泉の成分もさることながら5か所ある湯舟自体が源泉そのままであり一切の手を加えていないところが最大の魅力です。また、PHもほぼ中性なので源泉そのままにもかかわらず肌の弱い方でも入りやすい温泉です。
趣のある元湯夏油の施設外観
源泉がそのまま使用されているという5つの露天風呂。肌の弱い方も入りやすい泉質ということで、温泉を入り比べる贅沢な体験をしてみたいですね。

―多くの温泉がある元湯夏油ですが、なかでもおすすめの温泉はありますか?

湯守 髙橋さん
各温泉別に効能がありますが、特に「大湯」は別格です。かなり熱い温泉ではありますが、昔から湯治客は大湯に入るために来泉するくらいの温泉です。熱い湯舟に入るだけでなく掛湯だけでも気持ちの良い温泉です。
元湯夏油おすすめの露天風呂「大湯」
湯治客がわざわざ入りに来るという露天風呂「大湯」。夏油温泉を訪れた際には必ず入りたいですね。

―夏油川に沿って5つの露天風呂が点在していますが、旅館部からはどれくらいのお時間で到着しますか?また、道中で散策を楽しむことはできますか?

湯守 髙橋さん
旅館部からは3~4分で行ける距離にあります。夏油川沿いの渓谷には国の天然記念物に指定されている「夏油温泉の石灰華」があり、お風呂から眺めるだけでなく散策しながらでも楽しめます。
思わず立ち止まりゆっくりしたくなる露天風呂への道中
温泉成分が沈着してできた巨大な石灰華。非常に珍しいものなので露天風呂に向かう際はぜひ探してみてください。

元湯夏油で入浴できる7つの温泉

―特長の異なる7つの温泉ですが、滞在中のおすすめの入り方はありますか?

湯守 髙橋さん
昔は大湯以外の温泉で3~4日体を慣らしてから大湯で湯治するということもありましたが、現在は長く湯治される方以外は温度やお湯の肌触りなど自分にあった温泉に入浴するのが良いです。ただ、身体の不調がある方はやはり1日に一回でも良いので大湯に入浴された方が良いです。湯舟に入れなければタオルをあてて何回も掛湯をするだけでも大丈夫です。
適温の温泉に入浴できる「真湯」
5つの露天風呂と2つの内風呂がある元湯夏油。そのすべてが100%源泉かけ流しとなっており、湧きたての温泉を楽しめます。源泉をそのまま使用している温泉は温度も異なるということで、自分にあった温泉を探して入浴できるのは良いですね。

―季節ごとに温泉から眺める景色にも変化がありそうですが、おすすめの季節はありますか?

湯守 髙橋さん
冬季休業を終えて元湯夏油が開業する時期(5月10日頃を予定)はカタクリの群生を皮切りに高山植物が咲き乱れ、残雪と桜、そして新緑の若葉などを眺めることができ、露天風呂にも入りやすい季節です。また、夏油渓谷の紅葉は赤色が多いのでこちらも見ごたえがあります。
ぬるめの温泉に入浴できる「疝気の湯」
温泉に入浴しながら四季折々の景色を眺めることができるのですね。季節を変えて何度も訪れたくなります。

温泉だけではない元湯夏油の魅力

―元湯夏油の自炊部では長期間の湯治も可能と聞きました。おすすめの過ごし方があれば教えてください。

湯守 髙橋さん
とにかく温泉はいろいろあるので自分にあった温泉を見つけ、のんびり周辺の自然を楽しんでもらえば良いと思います。
元湯夏油のお部屋一例
元湯夏油には長期間の湯治でもしっかり体を休めることのできるお部屋があります。7つある温泉から自分にあったものを選び、身体の不調をゆっくりと直したいですね。

―旅館部で提供されるお食事で楽しめる、岩手ならでは、夏油ならではのものを教えて下さい。

湯守 髙橋さん
郷土料理の「ひっつみ鍋」や季節によってメニューは変わりますが、春には山菜料理、特に山で取れる「ふきのとうの天ぷら」はおすすめです。

旬の食材を使用したこだわりのお食事一例
通常宿泊の旅館部では季節の食材を使用したお食事をいただくこともできます。時期によってお食事の内容は異なるので、何をいただくことができるのか想像するだけで楽しくなりますね。

最後に、湯守のこだわりやお客さまへのメッセージをお願いします。

湯守 髙橋さん
夏油温泉は足元湧出泉の温泉を何百年と今も手を加えず加水などもせずそのまま残している温泉です。内風呂は温度調整をしますが、露天風呂はそのままの温泉です。全国的にもその場所から湧き出ている温泉をそのまま利用できる温泉は多くないと思います。各露天風呂で熱い温いはありますが、ぜひ源泉そのまま温泉を楽しみ自然を堪能してください。
湯守 髙橋さま

元湯夏油で岩手の温泉を満喫する旅を

いかがだったでしょうか?今回は「元湯夏油」について、詳しくお話をお伺いしました。岩手県内陸部の豪雪地帯に位置し、冬季は訪れることのできない時期限定の温泉。厳しい冬の雪が残る中で咲く桜や真っ赤に彩られた紅葉など、温泉に入浴しながら四季折々の風景を楽しむことができる「元湯夏油」に滞在して、岩手を満喫する旅をしませんか?
列車+元湯夏油のご予約は【JR東日本びゅうダイナミックレールパック】で
「元湯夏油」へのアクセス詳細はこちらから

◆次回予告◆

連載、湯守に聞く「地・温泉」の魅力!次回もお楽しみに♪
「地・温泉」について、詳しく知りたい方は下記のリンクボタンよりご確認ください。
JR東日本HP「地・温泉」
取材協力:夏油温泉 元湯夏油

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