【第2弾・ツアー編(前編)】石川・中能登町「発酵文化×防災の伝承ツーリズム」レポート

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天日陰比咩神社
石川県中能登町は、名前のとおり能登半島の中間に位置する町です。2024年1月1日に発生した能登半島地震では、中能登町内でも建物が全壊する等の被害がありました。しかし、海に面していないことから津波被害の心配がないなど、奥能登と比較すると比較的被害が少なかったため、復興の後方支援拠点として能登半島の復興に取り組んできました。今回、能登の元気を支える中能登町の皆さまから、今だからこそ伝えたい防災知識の情報や、能登の復興に向けた発酵文化の魅力紹介を行うイベント・ツアーを実施しました。ここでは、企画に携わった*and trip.編集部員が当日の様子を3回に分けてたっぷりとお伝えします!

▼第1弾・旅マエイベント編はこちら

ツアーの行程

今回のツアーでは、能登の発酵文化のうち「かぶら寿司」、「どぶろく」の要素をツアー内に組み込み、体験をしながら発酵文化の魅力を知っていただく内容としました。また、震災復興・防災の観点では、中能登町や七尾市にある和倉温泉の状況も知っていただくべく、町の方からのご説明の時間を組み込む他、避難所で使用するダンボールベッドづくりを通じた防災学習をしていただきました。
ツアー当日の行程

①天日陰比咩神社(あめひかげひめじんじゃ)

●昼食

まずは社務所にて昼食をご提供いただきました。今回のツアーでは、祭事の後に地域の方が集って食べる「直会(なおらい)」を基にした「直会弁当」をご提供いただきました。お食事の前には、食前・食後の感謝の作法も紹介いただき、参加者の皆さまも作法をしたうえでお召し上がりになっていました。
食後には、どぶろくを使用したケーキとコーヒーをご提供いただきました。ケーキは、震災時に輪島から天日陰比咩神社に来ており、そのまま避難生活を行っている「宮さん」が作ったものです。お召し上がりいただきながら、宮さんから震災時の様子や輪島のご自宅の様子のお話をしていただきました。
宮さんからのお話

●境内のご案内

宮司より天日陰比咩神社の境内で神社の歴史・由来に関するお話をいただきながら、どぶろく醸造を行っている「みくりや」の内部の見学をさせていただきました。この神社には酒造りの祖神と云われる大三輪神が祀られており、ここで醸造されるどぶろくは、12月5日の新嘗祭(どぶろく祭り)でお供えされ、祭事が終了した後に参拝者へ振る舞われるんだそう。

※どぶろく・・・米と米麹を原材料としたお酒のこと。
境内にある「みくりや」のご説明
宮司さんからは震災当時のお話もしていただきました。当時は1月1日ということで多くの参拝客が境内にいたそうですが、灯篭が崩れる以外の大きな被害はなかったそうです。

また、境内には川が流れており、その川を開放したところ近隣住民などが水を汲み取りに来ていたとのお話をいただきました。
宮司さんからのお話

②中能登町震災復興対策室からの説明

天日陰比咩神社の社務所にて、中能登町震災復興対策室から被害状況のご説明をいただきました。中能登町は、今回の震災では比較的被害が少なかったことから、奥能登支援の重要拠点となっています。道の駅や商業施設の駐車場は、自衛隊、消防などの復旧車両が拠点として活用していたのだそう。

また、今回の震災を経験されたからこその、防災として重要な点を教えてくださいました。

▼防災で意識しておくと良いポイント

●家族や身の回りの方の安否を確認したら、お風呂に水を溜める

震災後すぐに断水はしないので、安全確認後に水を確保しておくことが重要だそう。また、水を汲むための物も日常的に用意しておくと安心。

●小銭を準備しておく

電子決済が主流になってきたため、現金を持ち歩く人が少なくなっていますが非常時は電子マネーが使えないこともあります。備えとして現金・小銭を持ち歩くことが重要だそう。

●車のガソリンは常に満タンに

今回の震災発生後、ガソリンスタンドは長蛇の列になったそうです。避難をする時や、車で暖もしくは涼をとる時などでガソリンを消費するため、車を持っている方はこまめに満タンにしておくことを推奨されていました。
そして、震災復興対策室の方が仰っていたのは、「まず72時間は自分の命は自分で守りましょう」ということです。今回の地震では1月2日に自衛隊が中能登町に入ったそうですが、まずは人命救助などにあたるため、物資の提供を直ぐにいただけたわけではないそうです。そのため、日常的に防災グッズや非常食・水などを備蓄し、自分で備えることが重要です。
中能登町震災復興対策室 室長からのお話
続いて、今回の震災で七尾市など隣接市からの一時避難者が多く集まったという「道の駅織姫の里なかのと」へと向かいました。ここは震災直後から車での避難者が多かった場所で、水洗トイレが使用できたことから、避難拠点として重要な役割を担った場所でもあります。中能登町震災復興対策室のご説明を受けた後は、道の駅でお買い物をしていただきました。
当時の状況をご説明いただきました

③久氐比古神社(くてひこじんじゃ)

久氐比古神社は久延毘古(くえびこ)の神と呼ばれる「かかし」を祀る全国唯一の神社です。
今回の震災によって鳥居に亀裂が入ってしまったため、安全を考え、大正時代に建てられたという鳥居は撤去されてしまいました。今は竹でつくられた臨時の鳥居が設置されていました。この鳥居の再建資金をクラウドファンディングで募り(現在は終了)、予定では2025年6月頃に新たな鳥居が設置されるそうです。
手前に見えるのが臨時の鳥居

④1日目の夜に最大震度5弱の地震を経験

11月26日の夜、宿泊施設にいたところ最大震度5弱の地震を経験しました。震災をテーマにしたツアー中の出来事で驚きと不安がありましたが、荷物をまとめておく、洋服に着替えて寝るなど、それぞれが対策をしながら朝を迎えました。

いつどこで大きな災害が発生するかは分からないからこそ、自分自身での対策が必要だと改めて感じました。

2日目からの様子は「第3弾・ツアー編(後編)」で

今回のレポートでは、ツアー1日目の様子をお伝えしました。2日目からの様子は、第3弾・ツアー編(後編)をご覧ください!

▼第3弾・ツアー編(後編)はこちら

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